パンには、クラムとクラストがあります。
クラムとは「スポンジ状の柔らかい部分」のことであり、クラストとは「焼き色のついたカリっとした部分」のことを指します。
食パンで言えば、サンドイッチに使用する部分がクラムで、食パンの耳と呼ばれる部分がクラストであることになります。
これは、基礎知識です。
書籍などを参考にしていると「当たり前のように用いられている名称」ですので、覚えておいても損はありません。
以下、もう少し詳しく説明していきます。
パンにおけるクラムとは?
クラムとは、パンの白い部分です。
パンの内側は、弾力のあるスポンジ状になります。
これは粘弾性に富むグルテン組織が生地中のセル(気泡)をつくり、焼成時にグルテンそのものが熱凝固することでスポンジ状が保たれるためです。
その白くスポンジ状の部分のことを「クラム」と呼びます。
ちなみに、クラムの特徴はパンにより異なります。
食パンなどの良くこねるパンの場合には「(グルテンが形成されるために)ふわふわした食感」になりますし、田舎パン(カンパーニュなど)のようにあまりこねないパンの場合には「(グルテンの形成が不十分であるために)しまった食感」になります。
一概に、「クラム=ふわふわ」とは限りません。
パンにおけるクラストとは?
クラストとは、パンの茶色い部分です。
小麦粉とには、糖質とタンパク質が含まれます。
還元糖とアミノ酸はメイラード反応(アミノカルボニル反応)の原資となりますので、小麦粉が加熱されることで焼き色がつくことになります。
クラストは、メイラード反応によるものです。
- カラメル化:糖+加熱
- メイラード反応:糖+アミノ酸+加熱
焼成条件によって、クラストは変わります。
低温でじっくり焼成されれば「厚いクラストが形成」されますし、高温で短時間の焼成であれば「薄いクラストが形成」されることになります。
食パンの耳(クラスト)が厚いのは、焼成時間が長めであるためです。


まとめ
パンには、クラムとクラストがあります。
クラムとは「内側のスポンジ状の部分」のことであり、クラストとは「外側の焼き色のついた部分」のことを指します。
パン作りの基礎知識として、覚えておくことをおすすめします。