味噌汁に煮干しだしが好まれる理由。味噌と煮干しの相性。

味噌汁には、煮干し出汁が好まれます。
もちろん、「かつおだし、昆布だし、干しシイタケだしではいけない」というわけではありませんが、味噌との相性の良い煮干し出汁が好まれる傾向があります。

味噌と煮干し出汁は、互いの良さを引き立て合います。
味噌には「魚の生臭みを消す作用」がありますし、煮干しには「味噌の香りを邪魔しない」というメリットがあります。

以下、詳細を説明していきます。

味噌汁に煮干し出汁が好まれる理由

煮干し出汁は、動物性のうま味成分です。

特徴の異なる出汁を組み合わせると、味わいが深くなります。
味噌には植物性のうま味成分(イノシン酸など)が含まれますので、動物性のうま味成分と組み合わせることによって「うま味に奥行きができる」ことになります。

また、味噌には魚の生臭みを消す作用があります。
煮干しは品質や鮮度、下処理の方法によって「苦みや生臭みが出やすい食材」ですので、味噌と組み合わせるのは理にかなった方法となります。

しかし、「みそ汁には煮干し出汁でなければいけない」というわけではありません。

煮干しは、品質差のあらわれやすい食材です。
品質や鮮度の良い煮干しが手に入らないのであれば、「煮干しをあきらめて鰹節と昆布で出汁をとる」という選択肢は間違っていません。

おそらく、その方が多数派であるはずです。

かつお出汁が好まれない理由

かつお出汁もイノシン酸を主体とするうま味です。

しかし、かつお出汁には強い香りがあります。
かつお出汁と味噌は、双方ともに「香り(風味)を楽しむタイプの食材」と言えますので、味噌の香りを重視する場合には用いられません。

味噌汁に二番だしが用いられるのはこのためです。(関連記事:出汁の取り方

もちろん、絶対的な正解は存在しません。
味噌と煮干し出汁の組み合わせを好む人もいますし、味噌とかつお出汁(二番だし)の組み合わせを好む人もいます。

最終的には、好みの問題です。

昆布ダシや干し椎茸ではない理由

味噌汁に好まれるのは、動物性のうま味です。
これは、味噌の持つ植物性のうま味にかけ合わせるのは「植物性×植物性」よりも「植物性×動物性」の方が圧倒的に複雑で奥行きのあるうま味になるためです。

しかし、植物性のだしを用いることもあります。

たとえば精進料理。
精進料理では動物性の食材が使えませんので、味噌汁のダシも昆布や干し椎茸などを用いてとることになります。

この辺は「調理テクニック」というよりは「生き方の問題」となりますので、詳細な説明は割愛することにします。

まとめ

味噌汁には、煮干し出汁が好まれます。
味噌の持つ植物性のうま味と煮干しの持つ動物性のうま味の相性が良いためであり、「うま味が複雑になって奥行きが出る」「味噌の香りを邪魔しない」ことが主な理由です。

しかし、煮干しは品質差の大きな食材です。
良い煮干しが手に入らない場合には、煮干し出汁にこだわるよりも「二番だしを利用」した方が手軽に美味しいみそ汁を楽しむことができます。

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