肉の低温調理(真空調理法)による温度。リスクを減らすポイント。

低温調理には、食中毒のリスクがつきまといます。
タンパク質の熱変性が起こりにくい温度帯での調理になりますので、一定の基準を満たせていなければ安全性を確保できません。

ポイントは、安全マージンを大きく設定することです。

細菌や寄生虫類の有無には、個体差があります。
すべての肉類に「一定基準以上の加熱が必要」というわけではありませんが、(万が一に備えて)安全性を確保できるだけの加熱が必要です。

以下、肉に関する加熱条件です。

加熱条件(規格基準)

厚生労働省の規格基準を参考にします。
食肉製品の成分規格「特定加熱食肉製品」によると、肉の中心部が以下のような温度と時間によって安全性が保たれるとされています。

  • 55℃:97分
  • 56℃:64分
  • 57℃:43分
  • 58℃:28分
  • 59℃:19分
  • 60℃:12分
  • 61℃:9分
  • 62℃:6分
  • 63℃:瞬時

※厚生労働省による特定加熱食肉製品の殺菌条件
※中心部温度が35℃以上52℃未満の時間を170分以内とすること

当ブログでは、安全マージンを大きく取ります。
パスチャライズ(低温殺菌)は、健康な成人であれば問題のないレベルであっても、子供、高齢者、病中病後などには安全性を確保できない可能性があります。

低温調理には深い知識が必要です。
ギリギリの線を攻めるようなレシピは「一般家庭では難しい」と言わざるを得ない部分があり、当ブログでは安全性を重視する方向で考えています。

毎回ではなくとも、定期的な温度チェックをしてください。
たった数℃違うだけでも「タンパク質の熱変性が顕著になる」「パスチャライズ(低温殺菌)に不十分な温度域になる」などのリスクがあります。

中心部の温度

低温調理は、中心部の温度が重要です。
たとえば、冷蔵庫から取り出した肉(5℃前後)を温度管理された恒温槽に入れたとしても、中心部温度の上昇にはタイムラグが生じます。

これが低温調理法(真空調理法)の難しいところです。

ブログ「THEORY IS THE BEST SAUCE.」を参考にします。

  • 【10mm】14分-19分
  • 【20mm】35分-50分
  • 【30mm】1時間25分-1時間30分
  • 【40mm】1時間45分-2時間30分
  • 【50mm】2時間45分-3時間30分

※板状の肉が「水温-0.5℃」に達するためにかかる時間

  • 【40mm】1時間-1時間15分
  • 【50mm】1時間30分-2時間
  • 【60mm】2時間-2時間30分
  • 【70mm】2時間45分-3時間30分
  • 【80mm】3時間30分-4時間15分

※円柱状の肉が「水温-0.5℃」に達するためにかかる時間

詳細はリンク先のブログをご覧ください。
上記の引用値は、当ブログにおける「高頻度で使用する数値」のみを抜き出したものになりますので、リンク先の記事を読み込んでおくことをおすすめします。

実際の調理方法

低温調理法(真空調理法)の手順です。

肉を開き、下味を付けた後に真空包装します。
厚みを計測し、上記の基準(条件)に照らし合わせながら低温調理器の設定を行い低温調理をはじめます。

  • 【60℃】12分
  • 【厚さ30mm】1時間25分-1時間30分
  • 【加熱時間】1時間37分-1時間42分

30mmの鶏胸肉を60℃で調理する場合、規格基準が「【60℃】12分」となりますので、中心温度が上昇するためにかかる時間(1時間25分-1時間30分)を考慮すると、1時間37分から1時間42分加熱することで安全性を確保できることになります。

厚みのバラツキを考慮したとしても、2時間も加熱すれば安心です。

まとめ

低温調理法(真空調理法)には、特有の難しさがあります。

ポイントは温度と加熱時間です。
パスチャライズ(低温殺菌)して安全性を確保する調理法となりますので、納得できる加熱条件にて調理することをおすすめします。