里芋の皮むきでは、手にかゆみが生じます。
これはシュウ酸カルシウム結晶によるものです。
里芋は害虫から身を守るためにシュウ酸カルシウム結晶を生成していますので、表皮付近に高密度で存在することになります。
以下、詳細の説明です。
里芋でかゆくなる仕組みは?
かゆみの原因は、針状結晶です。
里芋にはシュウ酸カルシウム結晶が豊富に含まれており、里芋が切られることで針状結晶となって細胞外に飛散します。
針状結晶が皮膚に刺さるため「かゆみ」が生じるわけです。
しかし、(多少)違った説もあります。
針状結晶が直接的な原因であるという説の他に、針状結晶と「何らかの科学的刺激」や「タンパク質分解酵素」などが複雑に関わり合っているという説です。
いずれにせよ、針状結晶が関わっていることに違いはないようです。
かゆみの原因が多く分布しているのは?
シュウ酸カルシウム結晶は、表皮付近に多く分布しています。
里芋は害虫から身を守るためにシュウ酸カルシウム結晶を生成していますので、内側よりも外側が高密度になっているというわけです。
また、「新しい組織にほど多く存在する」という特徴もあります。
皮は厚めに剥くことがポイントです。
シュウ酸カルシウム結晶(針状結晶)は表皮から2から3mmのところに多く分布していますので、厚めに剥くことでかゆみが生じにくくなります。
かゆみ成分の味への影響は?
針状結晶は、味にも影響します。
里芋の「えぐみ」は、針状結晶によるものだと考えられています。
シュウ酸カルシウムの針状結晶が咥内や食道粘膜を刺激することが「里芋のえぐみの仕組み」だと考えられているためです。
これを防ぐためには、下茹でをします。
はじめに茹でた水を捨てる(下茹でをする)ことにより、えぐみが軽減する他、泡立ちによるふきこぼれのリスクも軽減させることができます。
まとめ
里芋の皮むきでは、かゆみが生じます。
かゆみの原因は「シュウ酸カルシウムの針状結晶が刺さることによるもの」であり、シュウ酸カルシウムは表皮付近に多く分布しています。
対策としては、厚めに皮を剥くことです。