ゴボウを酢水にさらすのには、理由があります。
ゴボウは、空気に触れると変色します。
通常は「水にさらす」だけでも十分に変色を防止することができますが、「真っ白なゴボウ」を使いたい場合には酢水にさらします。
ゴボウは、酢水にさらすことで白くなります。
これには「ポリフェノール化合物の酸化を防げる」ことと「pH(水素イオン濃度)を酸性にできる」ことが関係しています。
以下、詳細を説明していきます。
ゴボウは変色しやすい食材
ゴボウは、変色しやすい食材です。
これはゴボウに含まれる「ポリフェノール化合物(クロロゲン酸など)」や「色素(フラボノイド)」による影響です。
前者は酸化によって褐色に変色し、後者はアルカリ性によって黄色く変色します。
- ポリフェノール化合物:褐色
- 色素(フラボノイド):黄色
上記2点の影響により、ゴボウは変色します。
仕組みとしては、「ジャガイモが空気に触れると黒ずんでしまう」ことと同じです。(関連記事:ジャガイモが黒く変色する理由)
ゴボウの変色を防ぐ方法
変色を防ぐには、酢水(または水)に漬けます。
これには2つの理由があります。
ひとつ目が「ポリフェノール系物質の酸化を抑制する」ことであり、ふたつ目が「酸性にすることでフラボノイド(色素)の変色を防げる」ことです。
- ポリフェノール:酸化により変色
- フラボノイド:アルカリ性により変色
加える酢の量は、水1Lに対して酢大さじ2(30g)程度です。
この一手間によって、ゴボウは白く保たれます。
また、煮汁に酢を加えることで「ゴボウが真っ白に煮上がります」ので、10%程度の酢を加えた煮汁を用いる調理法もあります。
まとめ
ゴボウは、変色しやすい食材です。
一般的な調理では「水にさらしておく」だけでも十分であり、ゴボウの白さを際立たせたい場合には「酢水にさらして白くする」というテクニックが用いられます。