炊飯器の保温でつくる温泉卵。理想的な温泉卵にならない理由。

炊飯器で温泉卵を作ることができます。

しかし、簡単ではありません。
保温機能を利用する作り方では「温度が高すぎる」ことになりますし、熱湯を注いで蓋をする方法では条件によりばらつきができてしまいます。

炊飯器で温泉卵を作るには、条件の選定が難しいのです。

これは、卵の凝固温度が関係しています。
「温泉卵に適した温度」と「炊飯器の保温温度」には差違があるために、このような問題が生じやすくなります。(関連記事:卵の凝固温度

以下、詳細を説明していきます。

卵(卵黄と卵白)の凝固温度

卵黄と卵白の凝固温度には、差異があります。
温泉卵はこの温度差を利用してつくられるものであるわけですが、一般的には「65~70℃」の温度帯が利用されています。

上限となるのが70℃です。

  • 黄身:65℃から粘性が増し、75℃でほぼ凝固する
  • 白身:62~65℃で流動性を失い、80℃で完全に凝固する

目安となるのが、68℃で30分間加熱することです。
それによって「多少の流動性を保った卵白」と「粘性の増した卵黄」という理想的な温泉卵を作ることができます。(関連記事:低温調理器を使った温泉卵の作り方

低温調理器であれば、安定して理想的な温泉卵を作ることができます。

高すぎる炊飯器の保温温度

一般的に、炊飯器の保温温度は73℃前後です。

もちろん、メーカーによる違いはあります。
しかし、多くの炊飯器は72~73℃ほどに設定されており、理想的な温泉卵を作るには「温度が高すぎる」という欠点を持ちます。

温泉卵のセオリーは、68℃前後で30分の加熱です。

たった4~5℃と思われるかもしれませんが、(前項でも説明したとおり)卵は70℃を越えると黄身と白身の両方が「ほぼ凝固してしまう温度」に達してしまいますので、理想的な温泉卵の条件を外れてしまいます。

炊飯器の保温モードでは、凝固温度を越えてしまうことが問題なのです。

まとめ

炊飯器で温泉卵をつくることは可能です。
しかし、(多くの)炊飯器の保温モードでは「凝固温度を超えてしまう」ことになりますので、理想的な温泉卵はつくれません。

残念ながら、「白身の外側が固まりすぎてしまう」「黄身の粘性が不足する(または固まりすぎてしまう)」などの問題が生じやすくなるのです。

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