ハンバーグに砂糖を加える理由。甘味を感じさせない隠し味。

ハンバーグには砂糖を加えることがあります。

甘味のためではありません。
砂糖を加えることによって「肉の臭みを和らげる」「肉がパサパサになりにくくなる」などのメリットがあるために加えられます。

  • 肉の臭みが和らげられる
  • 肉がパサツきにくくなる

以下、詳細を説明します。

肉特有の臭みを和らげる

砂糖には、臭みを和らげる効果があります。

抑制効果を利用した方法です。
肉の臭みに砂糖の甘味が加わることによって、味覚への抑制効果が働き「肉の臭みが和らぐ」ように感じられます。

コーヒーに砂糖を加えると「苦味が和らぐ」のも、抑制効果によるものです。

加える砂糖の量は、2%未満である必要があります。
それ以上に加えると「甘味を感じてしまいます」ので、味つけのバランスを大きく崩してしまうことにもなりかねません……。

肉が軟らかくなる?

砂糖には、肉を柔らかく仕上げる効果があります。
これには2つの仕組みが関わっており、一つ目が「砂糖の保水効果」、二つ目が「タンパク質の熱凝固を妨げる働きがある」ことによるものです。

  • 保水効果
  • 熱凝固を妨げる

砂糖には水分を取り込む働きがあります。
ジャムや羊羹が腐りにくいのは砂糖の働きによるものであり、砂糖の水分を取り込む作用(脱水作用)によって菌の増殖を防いでいます。

また、砂糖にはタンパク質の凝固を妨げる作用があります。
タンパク質の熱凝固は、分子の再結合によって起こりますが、そこに砂糖があるとタンパク質の再結合を妨げるような働きをします。(関連記事:ハンバーグのこね方

結果として、タンパク質の熱凝固温度が上昇することになり、肉を柔らかく仕上げやすくなります。

まとめ

ハンバーグに砂糖を加えるのには、2つの理由があります。
一つ目が「肉の臭みを和らげる抑制効果」を狙ってのことであり、二つ目が「保水効果と熱凝固温度の上昇」を狙ってのことです。

たった2%未満の砂糖ですが、味に対する影響力は馬鹿にできません。

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