常温の果物が甘味を感じにくい理由。温度による甘味の変化。

果物は、冷やすことで甘味が強くなります。

温度による影響力は侮れません。
果物の多くは、「常温で食べるのか?」「冷やして食べるのか?」によって味を構成する甘味と酸味の感じ方が大きく変化します。

基本的に、果物は冷やすことで甘味が強くなる傾向があります。

以下、詳細を説明します。

温度変化と甘味

果物の甘味は、温度に影響を受けます。

果物の甘味は、果糖とブドウ糖です。
これらの甘味には、「甘味の弱いα型」と「甘味の強いβ型」という化学構造の異なる2種類が混在しています。

  • α型:甘味が弱い
  • β型:甘味が強い

α型とβ型の割合は、温度で変化します。
温度が高くなるとα型が増えてβ型が減ることで「酸味」を感じやすくなり、温度が低くなるとα型が減りβ型が増えることで「甘味」を感じやすくなります。

果物は、冷やすことで甘みが増すのです。

南国系の果物には注意

南国系の果物は、食べる前に冷やします。

南国系の果物は、低温に弱いという特徴を持ちます。
保管(保存)の段階から冷蔵庫で冷やしてしまうと「低温障害」を起こしてしまいますので、食べる前に冷やすことがポイントです。

これらは甘味に関する注意事項です。
冷やすことで甘みは増しますが、同時に香りの広がりが減少してしまうことになりますので「冷やす=美味しくなる」とは言えない部分もあります。

味の感じ方は、想像以上に複雑なものです。

まとめ

果物は、常温よりも冷やした方が甘みが増します。
これは甘味を構成するα型とβ型の割合が変化するためであり、冷やすことで甘味の強いβ型が増えるために「甘みが増す」ことになります。

しかし、「甘味=美味しさ」ではありませんので、好みによって調整します。

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