普段使いの包丁として、藤次郎を使っています。
藤次郎「DPコバルト合金鋼割込み」というステンレス製の牛刀です。
正直、切れ味の良い包丁ではありません。
しかし、それなりに切れて手入れを怠っても錆びることがないという特徴が気に入っていて、鋼よりも使用頻度の高い包丁となっています。
刃渡りは18cmです。
調理での使いやすさだけを考えれば21-24cmくらいの方が良いのですが、「包丁たてに収まる」「まな板が小さくてもOK」などの点から、18cmを購入しました。
以下、率直な感想を書いていこうと思います。
コストパフォーマンス
コストパフォーマンスは高いと感じています。
実売価格は、5000-6000円ほどです。
包丁としては低価格帯に分類されるかと思いますが、「それなりに切れる」「それなりに刃持ちが良い」などがメリットになるかと思います。
また、ステンレスですので錆びません。
- 芯材:コバルト合金
- 側材:13クロームステンレス
硬さと弾力性のバランスの良さが、この包丁の強みです。
切れ味だけを考えれば鋼の包丁には到底及びませんが、「それなりに切れて手入れが楽」という特徴は普段使いとしてはありがたいものです。
また、高級感があります。
はじめは「無駄に高級感を出すくらいであれば、もっと切れるようにしてくれよ」とも感じていたのですが、意外と愛着がわいてきています。
普段使いのステンレス包丁としては、コストパフォーマンスに優れているかと思います。

刃渡り18cmの牛刀を選んだ理由
藤次郎の包丁には、多くのラインナップがあります。
その中から、18cmの牛刀を選びました。
使いやすさだけであれば21-24cmが好みではあるのですが、普段使いの包丁としては刃渡り18cm前後が何かと都合が良いためです。
しかし、牛刀という選択には後悔しています。
いずれは21-24cmほどの牛刀が欲しくなります。
それであれば16-18cmの包丁には三徳包丁を選んだ方が用途の幅が広がりますので、「三徳包丁にしておけばよかったなぁ」と思っているのです。
事実、その後に21cm牛刀を購入していますし、16-18cmの三徳包丁が欲しくて仕方がない状況になっています。

切れ味の持続性と研ぎ直しの容易さ
この包丁のメリットは、切れ味の持続性です。
基本的に、どんなに安い包丁であっても砥いだ直後はそれなりに切れます。
しかし、安い包丁の多くは「切れ味の持続性に乏しい」という特徴があり、「すぐに切れなくなる」「頻繁に砥がなければならない」などのデメリットがあります。
その点、藤次郎のコバルト合金鋼には持続性があります。
また、硬すぎず柔らかすぎない材料(HRC硬度58±1)ですので、一般的な砥石でも砥ぎやすい(簡単に砥げる)というメリットもあります。
メンテナンス性の良さは、おすすめできるポイントです。
注意して欲しいこと
注意して欲しい点が2点あります。
それが、「購入直後の包丁は切れない」ことと「鋼の包丁のような切れ味を求めてはいけない」ことの2点です。
- 荒砥での出荷であるため、研がなければ切れない
- 鋼の包丁にはかなわない
この包丁は、荒砥で出荷されています。
このことからも購入直後の切れ味はひどいものであり、包丁を砥ぐ習慣のない家庭であれば「がっかり」してしまうはずです。
また、(鋼の包丁に慣れていると)砥いだところで、……とも思える切れ味です。
私の場合、意図的に刃を薄くしました。
これまでステンレスの包丁を使ってこなかったこともあり、普通に砥いだのでは「切れ味に不満がありました」ので、刃を薄くすることで対処しました。
あまり、おすすめできる方法ではありません。
刃を薄くすることで切れ味は増しますが、固いものを切る際などには「刃こぼれ」の原因になりますので、汎用性を求めるのであればおすすめはできません。
しかし、それによってだいぶ使いやすくなりました。

まとめ
藤次郎の包丁は、おすすめできます。
あくまでも「5000円前後のステンレス包丁の中では」という条件は付くのですが、一般的な家庭料理の範疇であれば不満は出にくいはずです。
しかし、切れ味を求めるのであれば鋼には敵いません。
同価格帯であれば鋼の包丁の方が圧倒的に切れ味は良くなりますので、手入れがストレスにならないのであれば鋼の包丁をおすすめします。
ちなみに、高額なステンレス包丁は扱ったことがありません。
もしかしたら10000円前後のステンレス包丁であれば「切れ味に関する不満は解消されるのかも?」という思いがあることも事実です。