煮詰める意味。焦がさずに早く煮詰めるためのポイント。

料理には、多くの場面で「煮詰める」作業があります。
煮詰めるとは主に「水分を飛ばす」ことであり、レシピ本などには「半量になるまで煮詰めてください」などと記載されていることがありますよね?

しかし、煮詰めるのは簡単ではありません。

水分の蒸発には、多くのエネルギーを要します。
煮詰める(水分を飛ばす)ためには時間がかかりますし、煮詰めている途中に焦がしてしまうことも少なくありません。

以下、詳細の説明です。

煮詰める意味と目的

料理には、「煮詰める」というテクニックがあります。

煮詰めるとは水分を飛ばすことです。
水分を飛ばすことによって「成分を凝縮させる」「メイラード反応によってうま味やコクを生み出す」などの効果が得られやすくなります。

例えばスパイスカレー。
スパイスカレーでは「タマネギの水分を飛ばす」「トマトの水分を飛ばす」「ブイヨンの水分を飛ばす」などによって濃厚なうま味やコクを生み出しています。(関連記事:スパイスカレーのコク

また、ジャムやソースも煮詰めてつくります。
ジャムやソースはしっかりと煮詰めることで「濃厚で深い味わいになる」「粘性が増してトロミがでる」「保存性が増す」などのメリットが得られます。

煮詰めるというテクニックは、多くの料理に用いられるのです。

早く煮詰める方法

早く煮詰めるためのポイントは2点です。
ひとつめが「強火にして勢いよく沸騰させる」ことであり、ふたつめが「液体の表面積を広げる(口が広く浅い鍋を使う)」ことです。

  • 勢いよく沸騰させる
  • 口が広く浅い鍋

しかし、現実問題として前者の方法は用いられません。
強火にして勢いよく沸騰させれば確かに水分の蒸発量は増えるのですが、「液体を濁らせる」「焦げやすい」などの問題が生じやすくなります。

早く煮詰めるためには「口が広く浅い鍋」に移し替えることです。

表面積が広いと、早く蒸発します。
多少面倒な作業にはなりますが、煮詰まる速度は格段に速くなりますので移し替える手間を補って余りあるほどの時間短縮につながります。

煮詰める場合には、それ相応の鍋を準備することをおすすめします。

煮詰めやすい調理器具の素材

銅は、煮詰めやすい調理器具の素材です。

これには、比熱の違いが影響しています。
比熱とは「温度が上がるために必要な熱量(エネルギー)」であり、値が低いほどに「少ないエネルギーで温度が上がる」ということになります。

  • 比熱【kJ/(kg・K)】
    • 銅:0.385
    • 鉄:0.461
    • アルミ:0.900
    • ステンレス:0.502

アルミは、煮詰めにくい素材です。
熱伝導率の良い素材ですので「早く温まる」という特徴をもちますが、銅や鉄と比べて「熱効率が良くない」という特徴もあります。

「短時間の加熱は得意だが、長時間の加熱を苦手とする」ということです。

まとめ

煮詰めるのは、想像以上に厄介な作業です。
火を強くすれば焦げやすくなりますし、弱くすればなかなか煮詰まらずに無駄に時間が経過してしまう恐れがあります。

煮詰める場合には「口の広い鍋(もしくはフライパン)を使用すること」、なかなか煮詰まらない場合には面倒くさがらずに「口の広い鍋に移し替えること」の2点がポイントになります。

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