パン生地には、スキムミルクを混ぜ込むことがあります。
理由は単純です。
スキムミルク(脱脂粉乳)にはミルクの香味がありますので、パンの風味づけに用いられるほか、焼き色がつきやすくなるという特徴を利用するためです。
また、牛乳での代用も可能です。
スキムミルクは牛乳から脂肪分を取り除いて粉状にしたものですので、牛乳及び低脂肪牛乳での代用も可能なのです。
以下、詳しく説明していきます。
スキムミルクを加えるメリット
スキムミルクは、パンに風味をつけます。
パンと牛乳(ミルク)は相性の良い組み合わせですので、スキムミルクをパン生地に混ぜ込むことによって生じるミルク特有の風味が好まれることがあります。
好みにもよりますが、ソフト系の食パンや菓子パンには良く加えます。
また、スキムミルクは焼き色をつきやすくします。
パンの焼き色はメイラード反応(アミノ-カルボニル反応)によるものですので、還元糖に属する乳糖が加わることでメイラード反応が促進されるのです。
ちなみに、イーストは乳糖を消費できません。
乳糖とはブドウ糖とガラクトースが結びついた糖ですが、イーストには乳糖を分解する酵素が含まれまれていないことからも消費できないのです。
スキムミルクの乳糖は、パンに残ることになります。
このことからも、牛乳でお腹を壊してしまいやすい体質である場合は「スキムミルクや牛乳を加えずに作る」ことをおすすめします。

牛乳ではなく脱脂粉乳の理由
多くのレシピには、スキムミルクの記載があります。
これは、スキムミルクの持つ「牛乳よりも低コスト」「牛乳よりも保存性に優れている」という特徴が好まれているためです。
- 牛乳よりも低コスト
- 保存性に優れている
スキムミルクは、牛乳での代用が可能です。
牛乳には、約10%の乳成分が含まれています。
これは、スキムミルク10gが牛乳100g(1/2カップ)に相当するということであり、スキムミルクの10倍量の牛乳を加えることで同等の効果が得られます。
注意すべきは水分量です。
そのまま代用したのでは水分量過多になります。
そのため、スキムミルク10gを牛乳100gで代用した場合には、90g分の水分を仕込み水から差し引いておく必要があります。
このことからも、牛乳は仕込み水の一部として利用します。

まとめ
パン生地には、スキムミルクを混ぜ込むことがあります。
スキムミルクを混ぜ込むことでミルク特有の香味を加えるためであり、スキムミルクがなければ牛乳で代用することも可能です。
コストや保存性の問題はありますが、牛乳を使った方が香味が豊かであることや乳脂肪分がパン生地の伸展性を良くすることからも牛乳を好んで使う方も少なくありません。