パン作りのオーブン温度。温度による焼き上がりの違い。

パン作りのオーブン温度

オーブン温度により、パンの特徴が異なります。

たとえば、低温長時間の焼成には「クラストが厚くなり、クラムが詰まりやすい」という特徴がありますし、高温短時間の焼成には「クラストが焦げやすく、澱粉の糊化(α化)が不十分になりやすい」という特徴があります。

パンは、適温適時間でこそ「薄いクラストとフワフワのクラム」が得られます。

また、温度はパンの種類や大きさに影響されます。
リーン系のパンは焼き色がつきにくいために高めの温度で焼かれますし、リッチ系のパンは焼き色がつきやすいために低めの温度で焼かれます。

大きさに関しては、小型なもので15分ほど、中型のもので30分ほどなどの違いが生じます。

パンを焼くということは?

パンを焼くことは、焼成と呼ばれます。
焼成とは最終発酵を終えたパン生地をオーブンに入れて加熱することであり、焼成することで小麦粉に含まれる澱粉が糊化(α化)して食べられるようになります。

しかし、パンの焼成は単純ではありません。
以下は、パン生地の芯熱(中心部の温度)によるパン生地の変化をおおよそのタイムラインにしたものです。

  • 30℃前後:最終発酵後
  • 40~60℃:伸張性が増して生地がゆるむ
  • 60~70℃:タンパク質の熱変性がはじまり、急激に膨張する
  • 80℃:タンパク質が熱凝固して膨張が止まる
  • 80~90℃以上:クラストの色づきがはじまる
  • 95~96℃:大半の自由水が気化してパンが焼き上がる

パンは、芯熱を95~96℃にする必要があります。
それ以下であると「生焼け状態」になりますので、ベタベタして美味しくないパンになってしまったり、場合によっては(消化の悪さから)お腹を壊すこともあります。

パンの焼成は、複雑なのです。

目安となるオーブン温度及び時間

一般的に、パンの焼成温度は200℃前後です。
もちろん、パンの種類(リーンとリッチ、ハードとソフトなど)やオーブンのクセなどによる違いはありますが、200℃前後に設定するのが一般的です。

基本的には、レシピに従うことをおすすめします。

時間に関しては、パンの種類や大きさにより変化します。
リーンなパンには焼き色がつきにくいという特徴があるために長めの焼成時間となりますが、リッチなパンには焼き色がつきやすいという特徴があるために短めの焼成時間となります。

以下は、オーブン温度200℃とした場合の焼成時間の目安です。

  • ハード系
    • 小型(40~50g):15分程度
    • 中型(300~400g):30分程度
  • ソフト系
    • 小型(40~50g):10分程度
    • 中型(150~200g):20分程度

繰り返しになりますが、あくまで目安でしかありません。
上記の条件で焼成したとしても「焼き色が足りない」ことや「焼き色がつきすぎてしまう」ことは少なくありませんので、適宜、調節する必要があります。

また、蓋をするタイプの型焼きパンの場合には、オープントップよりも1割ほど焼成時間が長くなる傾向にあります。

適温適時間は家庭により異なる?

オーブンには、クセがあります。
オーブンのスペックが同程度であってもメーカーの違いや使用環境の違いが大きな誤差を生みますので、レシピ通りの焼成になるとは限りません。

まずは、レシピ通りにつくってみることです。
それでうまく焼ければOKですし、焼き色がつきすぎてしまうようであれば温度と時間(主に温度)の調節をすることで理想的な焼成条件を探し出します。

ちなみに、私のオーブンは温度が高めになります。
レシピ本の条件でそのまま焼成してしまうと「パンが丸焦げ」になってしまいますので、意図的に温度を下げて調節しています。

また、室温によっても変化しますので、焼成終盤は確認をしながら焼いています。

まとめ

パン作りのオーブン温度は、200℃前後です。
しかし、レシピによる違いがありますので、まずはレシピに指定されている条件で焼いてみることをおすすめします。

また、オーブンにはクセがあります。
同スペックのオーブンを使用していたとしても同じように焼けるとは限りませんので、使用しているオーブンに合わせて調節していく必要があります。

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