田舎パン(カンパーニュ)にはバヌトンを使います。
バヌトンとは発酵かごです。
籐(ラタン)の発酵かごはフランス語で「バヌトン」と呼ばれていますが、日本国内におきましても発酵かごのことをバヌトンと呼びます。
バヌトンは、ハード系のパンに模様をつけます。
しかし、パン生地がバヌトンにくっついてしまうことも少なくはありませんので、「どうすればくっつくことなくバヌトンから外せるのか?」は重要なポイントとなります。
今回は、くっつく理由とくっつかなくする方法についてのお話です。
なぜバヌトンにくっつくのか?
バヌトンは、籐(ラタン)の発酵かごです。
籐を編んで作られていますので、表面には無数の凹凸があり、カンパーニュの柔らかいパン生地との相性によりくっつきやすくなります。
そこで、打ち粉(手粉)をしてくっつくのを防ぎます。
打ち粉に用いるのは、強力粉です。
もちろん、準強力粉でも構いませんが、間違っても(粉質小麦である)薄力粉を打ち粉に使用してはいけません。
薄力粉は、打ち粉向きではないためです。
また、バヌトンへの打ち粉もたっぷり振ります。
打ち粉をケチってしまうとくっついてしまう原因になりますし、カンパーニュの場合にはパンに付着する打ち粉がアクセントになったりもします。
「多すぎるかな?」くらいにふるのがポイントです。


くっつかなくする方法は?
くっつかなくするには、2点のポイントがあります。
それが、パン生地を丸める際に強めに打ち粉をして表面を滑らかにしておくことと、バヌトンへの打ち粉(ガラス質小麦)をしっかりとふることです。
- 丸めたパン生地を滑らかにしておく
- 打ち粉にガラス質小麦(強力粉)を使う
カンパーニュの生地は、柔らかめです。
そのため、打ち粉が不足しているとバヌトンにくっつきやすくなることは避けられませんので、強めの打ち粉を心がけます。
もちろん、バヌトンへ粉をふることも忘れてはいけません。
また、打ち粉にはガラス質小麦を使います。
小麦には硬質小麦(ガラス質小麦)と軟質小麦(粉質小麦)があり、前者は強力粉、後者は薄力粉に分類されます。

硬質小麦(強力粉)には「粒が硬く粒度が粗くなる」という特徴があり、軟質小麦(薄力粉)には「粒が脆く粒度が細かくなる」という特徴があります。
そのため、打ち粉には強力粉が適しています。
強力粉の「粒が硬く粒度が粗い」という特徴が「パン生地をバヌトンにくっつきにくくする」ためには都合がよいためです。
準強力粉が指定されている場合であっても、どうしてもくっついてしまう場合には強力粉に切り替えても問題はありません。
まとめ
パン生地は、バヌトンにくっつくことがあります。
くっつくと形がくずれます。
バヌトンはハード系パンの最終発酵に用いられる発酵かごですが、くっついて形がくずれてしまってはせっかくの模様が台無しになってしまいます。
くっつきにくくするためには、強力粉による「打ち粉(手粉)」をしっかりと振っておくことがポイントとなります。