パン作りにおける蜂蜜の役割。美味しさが長持ちする理由。

パン作りとはちみつ

パン作りでは、蜂蜜を使うことがあります。
単純な甘味だけであれば砂糖(グラニュー糖)でよいわけなのですが、あえて蜂蜜を加えるのには理由があります。

蜂蜜には、大きく2つのメリットがあります。
それが、「しっとりした仕上がりになること」と「時間経過による味の劣化が緩やかになる(保存性が高まる)こと」の2点です。

しかし、蜂蜜の特徴が敬遠されることもあります。
蜂蜜には特有の風味(カラメル臭、バニラ臭、果実臭、花の香り、バター臭、甘くスパイシーな香りなど)があるためです。

上手に使い分けることがポイントとなります。

しっとりする仕組み

蜂蜜には、吸湿性があります。

基本的に、砂糖には吸湿性があります。
しかし、蜂蜜の吸湿性は他の糖類よりも高いため、蜂蜜を用いることで「しっとりしたパン」に焼き上がります。

また、蜂蜜による吸湿性は持続します。
一般的にパンは焼き上がりからの時間経過によって乾燥してしまうものですが、蜂蜜を用いることで水分の蒸発を遅らせることが可能となります。

しっとり感が持続しやすくなるというわけです。

日持ちしやすくなる理由

蜂蜜を加えることで日持ちしやすくなります。
蜂蜜には「防腐剤としての働きをする過酸化物」「抗酸化力を持つフェノール性抗酸化化合物」などが含まれているためです。

  • 防腐効果:雑菌の繁殖を防ぐ
  • 抗酸化作用:脂質の酸化を防ぐ

パンの劣化は、大きく3つに分けられます。
それが、「澱粉の老化(β化)」「カビなどの有害な微生物」「脂質が酸化することによる酸敗臭(油臭さ)」です。

蜂蜜は、微生物と酸敗に対して効果的です。
蜂蜜の防腐効果と抗酸化作用によって、蜂蜜を加えない場合よりも「日持ちしやすくなる(風味が落ちにくくなる)」ことになります。

風味が邪魔にならないのであれば、効果的な材料です。

まとめ

パン作りでは、蜂蜜を加えることがあります。
蜂蜜には防腐効果や抗酸化作用がありますので、蜂蜜を加えて作られたパンには「日持ちしやすい」という特徴があるためです。

全てのパンに加えるわけではありませんが、効果的な材料です。

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