枝豆は、沸騰したお湯から茹ではじめます。
もちろん、水から茹でる(煮る)レシピもあるのですが、基本的には「(たっぷりの)沸騰したお湯から茹でる」ことがセオリーです。
絶対的な正解ではありません。
しかし、水から茹でるのとお湯から茹でるのとでは「見た目(色彩)」や「レシピの再現性」に大きな違いが生じますので、無視することはできません。
以下、詳細を説明します。
鮮やかな緑色を保持するために
水から茹でると、枝豆の発色が悪くなります。
これは枝豆の緑色の正体がクロロフィル(葉緑素)であるためであり、加熱時間が長すぎると鮮やかな緑色がくすんでしまいます。
枝豆は、加熱時間が長くなるほどに色あせます。
これはクロロフィル分子からマグネシウムイオンが取れることで、褐色のフェオフィチンと呼ばれるクロロフィル分解物が生成されるためです。
フィオフィチンが生成されることを、フィオフィチン化と呼びます。
フィオフィチン化は、酸化酵素(オキシダーゼ)によるものです。
酸化酵素は高温で作用が抑えられますが、水から茹でた場合には「酸化酵素が働く時間が長くなる」ことから、変色が進んでしまうのです。
食塩には、変色を抑える効果があります。
これは食塩のナトリウムイオンがクロロフィル分子を安定させるためであり、枝豆の発色を良くするためには欠かせないテクニックとなります。
レシピの再現性を高めるために
水から茹でた場合、レシピの再現性が失われます。
レシピの再現性は、調理器具や調理環境の影響を受けます。
水から茹でた場合、加熱温度や茹で時間にバラツキがでてしまいますので、「レシピ通りに作っても美味しくない」ということが起こりえます。
また、茹でる際には「たっぷりのお湯」であることがポイントです。
一般的には「野菜の5倍以上」という水量が推奨されており、お湯が少なすぎると食材を入れた際に温度の低下が起こりやすくなります。
レシピの再現性を保つためには、たっぷりの沸騰したお湯である必要があります。
まとめ
枝豆は、(基本的には)沸騰したお湯から茹でます。
水から茹ではじめる方法もありますが、色あせを防ぎ、レシピの再現性を確保するためには「沸騰したお湯から茹ではじめる」ことがポイントになります。