料理酒がない場合、いくつかの代替策があります。
料理酒は、食塩添加された日本酒です。
日本酒に食塩添加(不可飲処置)することによって酒税や酒類販売免許を回避しているのが料理酒となります。
料理酒がない場合、第一候補は日本酒です。
しかし、そもそも日本酒と料理酒は同じものですし、料理本によっては「料理酒ではなく日本酒を使いましょう」と指示していることもあります。
よって、日本酒以外の代用品について説明していきます。
料理酒の目的とは?
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まずはじめに、料理酒の目的からです。
料理酒は「食材に味をしみこませるため」「不快な臭いを揮発させるため」「複雑な香味を加えるため」「保存性を高めるため」などの理由から用いられます。
- 味がしみこみやすくなる
- 不快な臭いを取り除く
- 複雑な香味により味に奥行きがでる
- 保存性が高まる
すべてにアルコールが関わっています。
そのため、基本的には「他のアルコール飲料での代用が可能」ということになり、自宅にある焼酎やワインなどであっても同様の効果が得られます。
当然、本みりんでの代用も可能です。
本みりんは料理酒と同様14%前後のアルコールを含みますし、糖分の70~90%がブドウ糖ですので、しつこい甘味ではないために調理の邪魔をしません。
しかし、問題となるのが「香味」です。

香味に対する注意点
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料理酒は、アルコール飲料により代用できます。
料理酒とは、食塩添加された日本酒です。
日本酒はお米の澱粉を麹菌によって糖化させ、酵母が糖をアルコールに変換することによりお酒になります。
その際、日本酒特有の芳醇な香味が生まれます。
日本酒の香味は、日本料理との相性が最高です。
しかし、料理酒を他のお酒で代用する場合、お酒の種類によって異なる香味が加わることになりますので「料理との相性」の問題が生じます。
たとえば、豚の角煮と焼酎は相性の良い組み合わせですが、麦焼酎を選ぶのか? 芋焼酎を選ぶのか? などの違いによって出来映えは変わってきます。
何がおすすめか?
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料理酒の代用は、選択肢に困ります。
アルコールの効果を得るためだけであればどのお酒を選んでも同様の効果が得られますが、お酒には種類により特有の香味があります。
また、代用すると言うことは日本酒の香味は得られなくなります。
似ているのは本みりんです。
しかし、本みりんには(弱いとはいっても)甘味がありますし、不必要な照りがついてしまうこともあります。
果実酒を利用することもできます。
たとえば、梅酒には酸(クエン酸)が含まれていますので、魚特有の生臭さ(TMA)を化学反応により臭いのしない物質に変化させることができます。
最終的には、経験とセンスの問題です。
すじ肉を煮込むのであれば焼酎? 白身魚に使うのであれば白ワイン? などのように臨機応変に対応していくしかありません。
慣れないうちは、おとなしく料理酒か日本酒を買ってきた方が良いかと思います。
まとめ
料理酒は、他のお酒で代用することができます。
しかし、お酒には種類によって異なる香味がありますので、料理との相性を加味した上で代用する必要があります。
また、「料理酒は使わない」という選択肢もあります。
料理酒は、必須ではありません。
料理酒が記載されているレシピであっても「重要性が低い」場合もありますので、無理に代用品を加えるよりも使わない方が良い場合もあります。