お米の保存期間。賞味期限が精白米と玄米で異なる理由。

お米の保存期間は、精米の有無により異なります。

精白米の賞味期限は、2~4週間です。
糠部が除去された精白米は、米粒胚乳部表面が空気に触れているために「短期間で脂質の変敗が起こってしまう」ことになるため賞味期限が短くなります。

古米臭の原因は、脂質の変敗なのです。

また、温度管理も大切です。
2~4週間というのは室温管理の場合であり、脂質の変敗は低温保存によって抑制されますので、可能であれば冷蔵保存が望ましいとされています。

MEMO
当記事におきましては精米後の賞味期限を2~4週間としていますが、2~4週間というのは(人様にお出しするような)若干シビアな設定となります。一般家庭におきましては、長くても「暖かい季節で2ヶ月」「寒い季節で6ヶ月」以内に食べきるようにするのが現実的かと思います。

お米の変質とは?

精白米は、刻々と変質していきます。

特に注目すべきなのが、脂質の変敗です。
精白米には玄米の約1/3の脂質が含まれており、糠層が取り除かれている精白米は脂質が空気に触れやすい状態にあることになります。

脂質は、空気に触れることで変敗が早く進みます。

お米の保存は、脂質の変敗に注意します。
古米臭は脂質の酸化程度(脂肪酸度)の値と比例関係にありますので、脂肪酸度が高くなるほどに古米化が進んでいるということになります。

脂質は、空気に触れることで酸化します。
精白米の表面(胚乳の溝)には微粉状の糠が付着していますので、精白米の賞味期限は驚くほどに短いものとなります。

このため、精白米の賞味期限は2~4週間程度だと考えられています。

MEMO
米ぬかはすぐに鮮度が落ちます。「米ぬかが臭い」というのは脂質の変敗が起こりやすいためであり、精米直後の米ぬかには嫌な臭いはありません。そのため、糠漬け(糠床)を作る際には精米直後の新鮮な米ぬかが選ばれます。

お米の購入方法は?

精白米は、精米直後のものを1ヶ月分購入します。
そのような購入方法であれば室温保存であっても極端に美味しくなくなる(味が落ちる)ことはありません。

しかし、現実的ではない場合もあります。

スーパーで購入する場合は、精米年月日を確認します。
お米の販売には(JAS法により)「精米表示」が義務づけられていますので、精米年月日を確認することでおおよその賞味期限を判断することができます。

また、玄米で購入することも選択肢のひとつです。
玄米から糠層と胚芽を取り除いたものが精白米ですが、糠層が残っていると空気が遮断されているために変敗が起こりにくくなります。

家庭用精米機に人気があるのは、ご飯のおいしさに精米日からの日数が深く関わっているためなのです。

お米の保存方法は?

お米の保存には、温度と湿度がポイントになります。
一般的なお店(米穀店など)では、玄米のまま15℃以下の保管庫で管理され、注文後に精米して販売されます。

このため、購入から2~4週間であれば室温管理でも味は落ちません。

しかし、1ヶ月以内に消費できるとは限りませんよね?
そのような場合には低温管理(冷蔵庫や冷凍庫など)がおすすめであり、ペットボトルや専用容器に入れて冷蔵庫管理するのが一般的です。

その際、臭い移りを避けるためにも密閉容器であることがポイントです。

いずれにしても、家庭内での保存には限界があります。
たとえば、精白米を-60℃で管理すれば「半年後であってもほとんど変わらない」ことが確認されていますが、家庭用冷凍庫の温度は-18℃程度です。

これらのことからも、「お米(精白米)は1ヶ月分をその都度購入する」、もしくは「玄米で購入して家庭用精米機で精米(搗精)する」ことがご飯を美味しく食べるためのポイントであると言えます。

まとめ

お米(精白米)の保存期間は、2~4週間です。
季節(温度)による違いはありますが、通常は1ヶ月もすれば脂質が変敗することによる古米臭が生じてきます。

古米臭を避けるためには、低温管理するか、精米日から日の浅い精白米を購入する(もしくは家庭用精米機を使用する)しかありません。

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