ルクルーゼは、ご飯を炊けます。
実際にルクルーゼを炊飯鍋として使っている人は少なくありませんし、公式ホームページでも「ご飯の炊き方」を説明しています。
しかし、個人的にはおすすめしません。
ルクルーゼは、鋳物琺瑯鍋です。
鋳物琺瑯鍋には「空焚き厳禁」「温度差を嫌う」「衝撃に弱い」「重い」などの特徴がありますので、毎日の炊飯には向かない部分があります。
以下、詳しく説明していきます。
ご飯を炊きにくい?
◇
ルクルーゼでご飯を炊くと、しっとりしたご飯になります。
鋳物琺瑯鍋の特徴は、熱容量の高さです。
熱容量とは「鍋が蓄えられる熱量」ですので、「温度が上がるのに時間がかかり、上がった温度はなかなか下がらない」ことになります。
これによって、柔らかな炊きあがりになります。
しかし、デメリットもあります。
ご飯を美味しく炊くためには強く沸騰させて米粒を対流させる必要がありますので、ルクルーゼでは確実に吹きこぼれます。
吹きこぼれを嫌う方には、おすすめしません。
強く沸騰させて大きな対流を作らなければ美味しいご飯は炊けませんので、吹きこぼれを敬遠するのであれば文化鍋や炊飯用土鍋の方が扱いやすいと感じるはずです。
個人的には、(炊飯に関しては)文化鍋の方が優秀だと感じています。

炊飯に失敗すると鍋を傷める?
◇
鋳物琺瑯鍋は、繊細です。
ルクルーゼは鋳物鍋を琺瑯加工(ガラス粉末を焼き付け)してあるものですので、空焚きや温度差によって割れてしまうことがあります。
欠けてしまった琺瑯は、修復できません。
たとえば、おこげ。
ご飯のおこげは水分量が少なくなって鍋底の温度が上昇することで生じますが、タイミングを見誤ると温度が上がりすぎて琺瑯を傷めます。
また、鋳物琺瑯鍋は温度差を嫌います。
琺瑯はガラス質です。
熱されていたルクルーゼに冷水を入れた場合、温度差によって琺瑯が割れてしまう(ヒビが入ってしまう)ことがあるのです。
焦げ付きができてしまうと、後始末が大変です。
重さがストレスになる?
◇
ルクルーゼには、重さがあります。
他の鋳物琺瑯鍋(ストウブなど)と比べれば軽量ではありますが、日常的に使用する鍋としてはストレスに感じるほどの重さです。
重さはメリットのひとつです。
重い鍋であるからこそ「煮込み料理が美味しくなる」わけですが、使用頻度の高い炊飯鍋としては嫌になってしまっても不思議ではありません。
特に、忙しく調理する方にはおすすめしません。
ルクルーゼの得意とするのは煮込み料理です。
コトコトと長時間に込む料理でこそ鋳物琺瑯鍋の真価が発揮されますし、煮込み料理であれば琺瑯を傷めることもありません。
高価な鍋であるからこそ、わざわざリスクを負う必要はないと考えています。
まとめ
ルクルーゼは、ご飯を炊くことができます。
しかし、一概に「炊飯向きの鍋」とは言えない部分がありますので、個人的にはルクルーゼでの炊飯はおすすめしません。
特に、末永く(大切に)使っていきたいと考えているのであれば、「煮込み料理専用鍋」のように使うことをおすすめします。