じゃがいもは、熱いうちに潰します。
冷めたじゃがいもを潰すと、粘りが強くなります。
潰して調理されるじゃがいも料理(ポテトサラダやじゃがいもコロッケなど)は「粘りが少なく口の中で解ける食感」がポイントですので、潰すタイミングが重要です。
これは、細胞膜が破れて粘りが出ることを避けるためです。
潰すタイプの料理には、粉質イモが好まれます。
粉質イモ(男爵やきたあかりなど)には「(粘質イモよりも)加熱によって細胞が分離しやすくなる」という特徴があり、潰して調理するタイプの料理には好ましいためです。
潰したじゃがいもは、粘りの強弱がポイントとなるのです。
冷めてから潰すと味が落ちる?
◇
じゃがいもは、冷めてから潰すと粘りが強くなります。
細胞が壊れてしまうためです。
加熱されたじゃがいもの細胞には「糊化することで粘りの強くなった澱粉(糊化澱粉)」が含まれているため、細胞が壊れると粘りがでます。
じゃがいもを潰す料理では、粘りが敬遠されます。
ポテトサラダ、じゃがいもコロッケ、マッシュポテトなど、いずれの料理も「口の中でじゃがいもが解けて広がる食感」が好まれるためです。
そのため、粘質イモではなく粉質イモが好まれます。
- 粉質イモ:男爵やきたあかりなど
- 粘質イモ:メークインやとうやなど
これは、粘質イモのペクチンが強固であるためです。
粘りを出さないためには「細胞を壊さずに細胞単位でバラバラにする」ことがポイントとなりますので、粘質イモでは細胞が壊れて粘りが出てしまいます。
そのため、粉質イモを熱いうちに潰すことがポイントとなります。
温かいうちにつぶす理由は?
◇
じゃがいもは、細胞が壊れることで粘りが出ます。
じゃがいもの細胞には、澱粉が含まれています。
澱粉は加熱されることによって「粘りの強い糊化澱粉」になっていますので、細胞が壊れると糊化澱粉が出て粘りが強くなります。
細胞を壊さないためには、ペクチンに流動性がある必要があります。
じゃがいもの細胞は、細胞間にあるペクチンによって密着しています。
加熱されたじゃがいもはペクチンが水溶化して流動性を持つようになり、(熱いうちであれば)細胞を壊さずにバラバラにすることができます。
しかし、温度が下がると流動性がなくなります。
ペクチンの流動性がなくなると細胞同士が離れにくくなります(固くなります)ので、無理に潰そうとすると細胞を壊して粘りが出てしまうことになります。
これらのことからも、「じゃがいもは熱いうちに潰す」ことがセオリーです。
ちなみに、新じゃがいもには注意が必要です。
収穫したてのじゃがいもには「加熱しても水溶化しにくいプロトペクチンである」という特徴があるため、粉質イモであっても粘りが出やすくなります。
そのため、じゃがいもを潰す料理には成熟したじゃがいもが選ばれます。
まとめ
じゃがいもは、熱いうちに潰します。
熱いうちに潰す(マッシュする)ことによって、粘りの少ない「口の中で解けて広がる食感」が得られるようになります。
冷ましたじゃがいもを潰すと粘りが出て「練り物のような食感」になりますので、ポテトサラダやじゃがいもコロッケをつくる場合には「熱いうちに潰す」ことがポイントになります。