ゆで卵は、黄身が偏ってしまうことがあります。
主な原因は、卵の鮮度が落ちていることです。
卵の可食部は卵黄と卵白によって構成されていますが、卵の鮮度が落ちると「卵白の流動性が高くなる」「カラザが弱くなる」などの理由から卵黄が偏りやすくなります。
卵黄は卵白よりも比重が軽いためです。
以下、詳細を説明します。
卵の鮮度が落ちると偏りやすくなる理由
新鮮な卵でつくったゆで卵は、卵黄が中心になります。
卵黄は、「卵白よりも比重が軽い」という特徴を持ちます。
これは卵黄に約33%の脂質が含まれているためであり、卵白の比重が約1.048であるのに比べ、卵黄の比重は約1.038となります。
しかし、卵黄は卵白とカラザによって固定されています。
卵黄は濃厚卵白とカラザによって中心に固定されており、新鮮な卵であれば普通に茹でるだけでも卵黄が中心にくるきれいな茹で卵になるわけです。
卵の鮮度が落ちると、濃厚卵白の構造が崩れます。
卵黄は濃厚卵白によって守られているわけですが、鮮度が落ちると濃厚卵白は水様卵白へと変化してしまうため「卵黄が卵白に浮かぶ」ようになってしまいます。(関連記事:卵の鮮度を見分ける方法)
また、鮮度が落ちるとカラザも弱くなります。
古い卵でのゆで卵は鍋の中で転がす
卵黄を真ん中にするためには、鍋の中で転がすことです。
ゆで卵は、タンパク質の熱変性を利用しています。
卵白には約58℃から凝固がはじまり約80℃で完全に凝固するという特徴があり、卵黄には約65℃から粘性が増していき約70℃で完全に凝固するという特徴があります。(関連記事:卵の凝固温度)
目安としては、以下のような方法をとります。
- 水から茹でる場合:約80℃になるまで回転させ続ける
- 熱湯に入れる場合:1から2分間ほど回転させ続ける
これらの方法によって、黄身の偏りを防げます。
もちろん手間のかかる方法ですので必須作業ではありませんが、古い卵でゆで卵を作る際には「やっておくべき一手間」と言えなくもありません。
まとめ
ゆで卵の卵黄が偏るのは、鮮度が落ちている証拠です。
鮮度が落ちている卵でゆで卵を作る際には、「卵白が凝固するまで回転させ続ける」ことがポイントになります。