鉄フライパン。中尾アルミ製作所と遠藤商事の違いは?

鉄フライパン選びは、少しだけ複雑です。

多くのメーカーから鉄フライパンが販売されています。
たとえば、初めての鉄フライパンとして選ばれることが多いのは「遠藤商事の鉄黒皮厚板フライパン」や「中尾アルミ製作所のキング鉄フライパン」ではないでしょうか?

今回は、上記2メーカーの鉄フライパンを比較します。

正直、どちらにも一長一短があります。
「好んで作る料理」「調理環境(コンロの熱量)」「筋力(体力)」などによっても変化する問題ですので、単純ではないのです。

以下、検討項目になり得るポイントを説明していきます。

板厚の違い

鉄フライパンには、板厚の違いがあります。

板厚によって、適した料理が変わります。
たとえば、ステーキやハンバーグのような「焼き物」には厚板のフライパンが適していますし、野菜炒めのような「炒め物」には薄板のフライパンが適しています。

前者はスキレット、後者は中華鍋のようなイメージです。

以下は、遠藤商事と中尾アルミの板厚です。
遠藤商事には1.6mm厚のシリーズもありますが、今回は2.3mm厚の「鉄黒皮厚板フライパン」にて比較していきます。

  • 鉄黒皮厚板フライパン:20cm、26cmともに2.3mm
  • キング鉄フライパン:20cmが1.6mm、26cmが2mm

ここで注意して欲しいのが、コンロの火力です。
遠藤商事の鉄フライパンは、業務用とうたっていることもあり「家庭用コンロでは使い難い可能性のある板厚」となっています。

もちろん、使えないわけではありません。
しかし、板厚の厚いフライパン(熱容量の高いフライパン)は、温めるのに時間がかかりますので、家庭用コンロでは「使い難い」と感じられるはずです。

悪くはないのですが、なにかと時間がかかります。

鉄フライパンの厚さ(重さ)。家庭用鉄フライパンの注意点。鉄フライパンを空焼きする理由。2種類の空焼きについて。

重さの違い

当然ですが、板厚と重さは比例します。

家庭用調理器具は、バランスが大切です。
軽いフライパンは「炒め物には適しているが焼き物には適していない」ことになり、重いフライパンは「焼き物には適しているが炒め物には適していない」ことになります。

極端な調理器具が敬遠されるのは、汎用性がないためです。

  • 鉄黒皮厚板フライパン:20cmが800g、26cmが1335g
  • キング鉄フライパン:20cmが600g、26cmが1100g

ちなみに、薄板の方が「使いやすい」と感じられるはずです。
単純に「軽くて扱いやすい」ということもありますが、薄板フライパンは加熱不足になりにくいことからも「樹脂層が形成されやすい」という特徴を持つためです。

鉄フライパンは、油と熱によって育ちます。
「育つ」という表現が適切であるのかは分かりませんが、十分に熱せられることによって油が重合化して鉄フライパンに樹脂層を形成します。

この樹脂層によって、くっつきにくくなるわけです。

鉄フライパンでくず野菜を炒める理由。ポイントは油の重合?

錆止め剤の違い

鉄フライパンには、錆止め剤が塗られています。
これは、工場から家庭に届くまでの間に錆びてしまうことを防ぐためのものであり、通常は錆止め剤を除去してから使い始めることになります。

錆止め剤にもいくつかの種類があります。
遠藤商事と中尾アルミの鉄フライパンの場合ですと、前者は焼き切る必要のない透明シリコン焼付塗装であり、後者は一般的な焼き切るタイプの錆止め剤です。

  • 鉄黒皮厚板フライパン:そのまま使い始められる
  • キング鉄フライパン:焼き切ってから使い始める

一見して、透明シリコン焼付塗装の方が良さそうに思われるかもしれません。

確かに、焼き切る必要がないのは大きなメリットです。
しかし、透明シリコン焼付塗装は使い続けることによって「徐々に剥がれ落ちていきます」ので、(一般家庭のフライパンとしては)見た目の悪さが問題となります。

そのため、多くの家庭では「焼付塗装を剥離する」という手間がかかります。

鉄フライパンを使い始めるには? 最初の空焼きと油ならし。

まとめ

鉄フライパン選びには、多少の難しさがあります。
好みや調理環境によっても変化する問題ですので、はじめは汎用性の高い中間的な鉄フライパンで試してみることをおすすめします。

当ブログでは、中尾アルミ製作所のキング鉄フライパンをおすすめします。

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