蒸し器を使ったプリンの作り方を説明します。
通常、プリンはオーブンで作られます。
オーブンには「温度を一定に安定させやすい」「ゆっくり温度が伝わるので失敗しにくい」などのメリットがあるためです。
しかし、日本の台所では蒸し器の方が身近な存在です。
たとえば、玉子豆腐や茶碗蒸し。
いずれの料理も「卵のタンパク質を熱変性させて固める」という点ではプリンづくりと同じであるため、応用のききやすいのが蒸し器であると言えます。
多少の難しさはありますが、覚えておいて損はありません。
蒸し器を使ったプリンのつくり方
蒸し器であっても、基本はオーブンと同じです。
伝熱形態が異なるためにオーブンよりも格段に熱が伝わりやすい加熱法ではありますが、ポイントさえ押さえておけば理想的なプリンをつくることも可能です。
基本的な部分は「オーブンを使ったプリンの作り方」をご参照ください。

この記事では、「蒸し方」の説明をしていきます。

カラメルとプリン液をつくり、プリン型へ流し込んでおきます。基本的な作り方(レシピ)は「オーブンでつくるカスタードプリン」と同じですので、好みに合わせて変更を加えてもらっても結構です。しかし、プリンの出来栄えはその大部分が「熱の伝わり方によって決まります」ので、はじめはシンプルにつくることをおすすめします。

水を加えた蒸し器をセットし、(蒸し籠部分が金属製の場合は)布巾などを敷いておきます。火にかけ、勢いよく蒸気が上がるようになったら準備完了です。

蓋を取り、蒸し器内の蒸気を逃がしてから(布巾の上に)プリン型をセットします。コンロの火を弱火にし、蓋は“ずらす”ようにして蒸し器に乗せます。蓋をずらすのは温度を下げるためですので、菜箸などで隙間を開けるようにしてもOKです。

85~90℃を保ちながら15~20分ほど蒸しあげていきます。コンロや蒸し器のクセ(個体差)の問題もありますので、慣れるまでは温度計を使って「85~90℃を保つ」ことがポイントとなります。軽く揺らしてみて「表面が軽く固まっている」ようになれば、残りは余熱によって火が入ります。

蒸しあがりましたら、粗熱が取れてから冷蔵庫で冷やします。作った当日には「柔らかすぎる」ように感じられるかもしれませんが、翌日以降になると理想的な固さと滑らかさになりますので安心してください。当日に食べたい場合には「少し余計に蒸す」のも一つの手段です。
蒸し器であっても、基本的な作り方はオーブンと同じです。
しかし、蒸し器(蒸気)は伝熱性に優れた加熱方法となりますので、蓋をずらすなどして意図的に温度を下げなければ温度が上がりすぎてしまいます。
蒸し器でつくるプリンでは、失敗原因の多くが「温度を上げ過ぎたために起こる」ものですので、くれぐれも温度が上がりすぎないように注意してください。



蒸し器にさらしを敷く理由
蒸し器(蒸し籠)には、布巾をしきます。
竹せいろ(中華せいろなど)であれば布巾を敷く必要はありませんが、蒸し籠が金属製の場合には布巾を敷かなければなりません。
これは、熱伝導率の良さが問題となるためです。
カスタードプリンは、80℃ほどで固まります。
そのために蒸し器内を85~90℃に保つことによって「不必要な高温にならないように」しますが、蒸し籠が金属製であると高い熱エネルギーが伝わってしまいます。
布巾は、蒸し籠からプリン型への熱を抑えるために敷いておくのです。
蒸し器の蓋をずらす理由
蒸し器でつくる場合、「温度を下げる」難しさがあります。
蒸すという伝熱形態は、熱の伝わりやすい加熱方法です。
完全に蓋をしてしまいますと(たとえ弱火にしたとしても)短時間のうちに初期の沸騰状態である95℃を超えてしまいます。
プリンの食感がボソボソになってしまうのです。
そこで、蓋をずらすことで温度を下げます。
蓋のずらし具合と温度の関係はコンロや蒸し器によって異なりますが、一般的には「菜箸を挟んでおく」ことで対処されることが多くなります。
蒸し器でのプリンづくりは、「弱火」と「蓋をずらす」ことがポイントとなります。
はじめは温度をはかるべき理由
慣れないうちは、必ず温度をはかってください。
もちろん、玉子豆腐や茶碗蒸しによって(卵の蒸し料理に)慣れている場合には必要ありませんが、85~90℃を保つためには温度計があると便利です。
また、はじめてであればガラス蓋の方が良いかもしれません。
プリンの固まり具合は、目視にて確認します。
軽く揺らしてみて「表面が軽く固まっている」ことがポイントとなりますので、加熱時間は当てにならない部分があるためです。
この点に関しては、オーブンであっても同じですよね?
まとめ
カスタードプリンは、蒸し器でもつくれます。
しかし、オーブンで蒸し焼きにする場合と比べて「調理にテクニックを要する」ことは事実であり、はじめは難しく感じられるはずです。
まずは、温度と固まり具合に注視することをおすすめします。