魚のあら煮には、下処理が必要です。
魚のあらには「うろこ」「ぬめり」「血液」などがありますので、ていねいに下処理をしなければ美味しい料理にはなりません。
特に重要なのが、湯引きです。
湯引きとは、湯に通すことです。
本来の湯引きの目的は「魚を生で安全に食べるためのもの」ではありますが、あらなどの下処理にも用いられているテクニックとなります。
以下、詳細の説明です。
湯引き(霜降り)とは?
湯引きとは、魚を熱湯にくぐらせることです。
熱湯にくぐらせることにより表面のタンパク質が熱変性して白くなりますので、その見た目から「霜降り」とも呼ばれています。
また、直火で炙る「焼き霜」、皮の方だけに熱湯をかける「皮霜」などのテクニックも、湯引き(霜降り)の一種とされています。
- 湯引き(霜降り):熱湯にくぐらせる
- 焼き霜:直火で焦がすように炙る
- 皮霜:皮の方だけに熱湯をかける
本来、湯引きは殺菌のためです。
湯引きや焼き霜は、輸送に時間のかかっていた時代に「安全に生の魚を食べる」ことを目的に用いられてきたテクニックとなります。
皮霜に関しては、かたい皮に含まれているコラーゲンをゼラチン化させることによって「柔らかくする」ことや「歯切れを良くする」ことが目的です。
あら煮の下処理(湯引き)手順
あら煮の下処理として、湯引きをします。
湯引きをすることによって「臭みの原因となるぬめりや血液を取り除きやすくなる」「取り切れなかったうろこを取り除きやすくなる」などのメリットが得られます。
特に、マグロなどの場合には湯引きをしなければ大量のうろこに悩まされます。

うろこを取り除き、一口大に切り分けます(取り除けないうろこは湯霜後に取り除きます)。身の厚い部分には切り込みを入れて火を通りやすくしておきます。

ボウルに切り分けたあらを入れ、さし水をして沸騰を抑えた熱湯を注ぎ入れます。菜箸でゆっくりかき混ぜ、表面が白くなったら冷水に落とします。(※画像は冷水に落とした後です。熱湯を注ぎ入れた段階では濁ります。)

残った(取り除けなかったうろこ)、ぬめり、血液などを洗い流します。水気を切ったら下処理(湯引き)の完了です。
あら煮には、下処理が欠かせません。
湯引きをするのとしないのとでは、料理の仕上がりに雲泥の差が生じますので確実に実施しておくことをおすすめします。
まとめ
あら煮には、下処理が必要です。
魚のあらには「うろこ(または湯霜をしなければ取り除けないうろこ)」「ぬめり」「血液」などがありますので、下処理の工程をスルーすることはできません。
この点を押さえておけば、安くて美味しい魚のあらは魅力的なものです。