食材の塩抜きには、薄い塩水(1.5%前後)が用いられます。
塩分を抜くだけであれば、真水でもかまいません。
しかし、(保存食である塩漬け食材を)美味しく食べるためには、真水よりも薄い塩水を用いることに軍配が上がります。
これは、迎え塩と呼ばれるテクニックです。
以下、塩抜きに塩水を用いる理由を説明します。
うまみが抜けるのを防ぐ
塩分を抜くだけであれば、真水でも可能です。
しかし、表面の塩分だけが先に抜けてしまうため、狙った塩分量になる頃には「表面が水っぽくなってしまう」ことになります。
当然、うま味も抜けてしまいます。
薄い塩水を使えば、それらのデメリットを防げます。
塩抜きに薄い塩水を使用することで、「表面が水っぽくならない」「うま味が抜けるのを最小限にとどめる」ことができるようになります。
副成分が残るのを防ぐ
食塩の主成分、塩化ナトリウムです。
しかし、塩化ナトリウム以外の副成分(塩化マグネシウムや塩化カルシウムなど)が含まれていることも忘れてはいけません。
真水で塩抜きをした場合、これらの副成分(不純物)が残りやすくなります。
これらの不純物は「苦味」や「渋味」の原因となりますので、真水で素早く塩抜きをするよりも(薄い)塩水でゆっくりと塩抜きをした方が食材の味を落とすリスクを軽減することができます。
迎え塩をするのは、理由があってのことなのです。
まとめ
薄い塩水(迎え塩)には、意味があります。
たった1.5%程度の塩分を加えることで、「うま味が抜けにくくなる」「塩の副成分によって味が落ちるのを防げる」などのメリットを享受することができます。