糠床のアンモニア臭は魚が原因?鰹節や煮干しなどには要注意。

糠床には、うま味食材が加えられることがあります。

うま味食材は、諸刃の剣です。
昆布や干し椎茸であれば大きな問題はなりませんが、鰹節や煮干しなどを加える際には細心の注意を払わなければいけません。

これらの食材を加えすぎると、アンモニアが生じます。
さらに、アンモニアは塩基性(アルカリ性)ですので、糠床のpH上昇につながりやすく「雑菌の繁殖しやすい環境」になってしまうリスクがあります。

以下、詳細の説明をしていきます。

糠床からアンモニア臭がしてしまう仕組み

タンパク質の豊富な食材は、アンモニア臭の原因になります。

特に、海水魚には注意が必要です。
海水魚は体液中の濃度を維持するために、アミノ酸やアミン酸をため込みますので、それによって淡水魚よりも「うま味が強い」という特徴を持ちます。

しかし、TMAOや尿素も含まれています。

TMAO(トリメチルアミンオキシド)は細菌に分解されることでTMA(トリメチルアミン)となり「魚の腐った臭い」を生じさせますし、尿素はアンモニアに変換されるために「アンモニア特有の嫌な臭い」が生じることになります。

タンパク質(特に海水魚)が細菌に分解されると、少なからず嫌な臭いが生じます。

また、雑味の問題もあります。
動物性タンパク質を含む食材の多くは、「よく言えば味が複雑であり、悪く言えば雑味が多い」ものですので、うま味とともに雑味も加わってしまいます。

積極的におすすめできる方法ではないのです。

アンモニア臭がすると腐りやすくなる仕組み

アンモニア臭のする糠床は、腐りやすくなります。
かすかなアンモニア臭であれば挽回の余地が残されているかもしれませんが、はっきりとしたアンモニア臭が生じているのであれば(すでに)腐っている可能性すらあります。

発酵と腐敗の違いは、人間にとっての有益か無益(有害)かの違いです。

アンモニアは、塩基性(アルカリ性)です。
糠床が腐らないのは「塩分濃度」と「酸性pH」が維持されているためですので、アンモニアによってpHの上昇が起こることで糠床は簡単に腐ってしまいます。

  • 糠床にとっての善玉菌:酸性を好む
  • 糠床にとっての悪玉菌:塩基性を好む

塩分濃度だけでは、雑菌の繁殖を抑えることはできません。
雑菌(腐敗菌)の中には耐塩性をもつものも少なくありませんので、「塩分濃度」と「酸性pH」の両方がそろっているからこそ糠床は腐らないのです。

鰹節や煮干しを加える必要はない理由

基本的に、鰹節や煮干しを加える必要はありません。
正しい管理方法(常温管理や手入れの有無など)をしていれば、米糠のタンパク質が分解されることによってうま味は強くなっていきます。

加えるとしても、ごく少量にしてください。

しかし、レシピによっては鰹節や煮干しを加えることもあります。
たとえば、冷蔵庫で管理することを前提としているレシピでは「発酵が進まないためにうま味が強くなりません」ので、意図的に動物性タンパク質を加えることがあります。

伝統的な糠床では、あり得ないアプローチです。

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まとめ

糠床のアンモニア臭は、タンパク質が原因になっています。
特に、鰹節や煮干しなど、魚介類の動物性タンパク質を加えてしまうと「アンモニア臭(または腐敗)」のリスクが高くなってしまいますので注意が必要です。

基本的に、それらの食材は必要ありません。
加える場合であっても「うま味の相乗効果」を狙ってのことになりますので、加える量はごく少量となります。

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