糠漬けは、塩分量の多い食品です。
しかし、糠漬け(漬物)の塩分量が多いことは仕方のないことですので、「食べる量を調節する」「塩抜きをする」などによって対応していきます。
「塩分=悪」ではありません。
問題は、食べ過ぎてしまう(摂取量が増えてしまう)ことにあります。
これは塩分に限った話ではなく、どんな食材であっても「適量であればメリットとなり、過剰であればデメリットになる」ことに変わりありません。
以下、糠漬けの塩分量について説明していきます。
主な糠漬けの塩分量(食塩相当量)
基本的に、漬物は塩分量の多い食品です。
これは、漬物が「保存食」として発展してきた経緯があるためであり、塩分量を制限しすぎると腐りやすくなってしまうため、ある程度は仕方ありません。
以下は、食品成分表による「ぬかみそ漬」の食塩相当量(100gあたり)となります。
- かぶの糠漬け:(葉)3.8g、(根、皮つき)2.2g、(根、皮むき)6.9g
- きゅうりの糠漬け:5.3g
- 大根の糠漬け:3.8g
- なすの糠漬け:2.5g
引用元:女子栄養大学出版部「食品成分表」香川芳子[監]
ご飯が進んでしまいそうな塩分量ですよね?
しかし、糠漬けの塩分量は「漬かり具合」によって大きく変わりますので、一般的には2%前後に達したタイミングが食べごろだと考えられています。
糠漬けの漬け具合は調節できますので、食品成分表の数値は参考にならないのです。
漬かりすぎてしまった糠漬けの塩抜き
漬け過ぎてしまった糠漬けは、塩抜きできます。
塩抜きとは、その名の通り「塩を抜くこと」であり、1.5%前後の食塩水に浸けておくことによって「糠漬けの食塩(塩化ナトリウム)を抜いていく」ことを言います。
基本的に、食塩水での塩抜きをおすすめします。
糠床には、粗塩が使われています。
粗塩とは精製度の低い食塩であり、塩化ナトリウムの他に「塩化マグネシウム」や「塩化カルシウム」などの不純物が含まれています。
- 塩化ナトリウムの含有率
- 粗塩:95%以上
- 精製塩:99.5%以上
これらの「にがり」と呼ばれる不純物は、糠漬けには欠かせないものです。
にがりが含まれている食塩を使っているからこそ「漬物の食感が残りやすくなる」のであって、精製塩を使ってしまうと「くたっとした漬物になってしまう」ことになります。
しかし、これらの不純物には、苦味や渋味があります。
塩化ナトリウムとのバランスによって苦味や渋味は感じられにくくなっていますが、真水で塩抜きをするとこれらの不純物だけが残ってしまいますので味を落としてしまいます。
また、真水での塩抜きは「食材表面の塩分だけが抜けやすくなります」ので、「外側は水っぽく、内側は塩からい漬物」になり、美味しくありません。


まとめ
糠漬けは、塩分量の高い食品です。
しかし、糠漬けは「漬かり具合によって塩分量が変化します」ので、必ずしも「糠漬け=塩分量が高い」とは言えない部分があります。
また、漬かりすぎてしまった糠漬け(古漬け)は、適切な方法による「塩抜き」によって美味しく食べられるようになりますので、塩分量に関しては「味覚(嗜好)によって大きく変わる」としか言えません。