糠床には、多種多様な微生物が生育しています。
糠床は、微生物のかたまりです。
当然、微生物は生き物ですので、暑すぎても寒すぎても生育には悪影響となり、季節によっては保管場所を変えるなどの対策を講じなければなりません。
基本的に、冷蔵庫管理はおすすめできません。
冷蔵庫管理は、手間がかからないために楽です。
しかし、微生物の働きを鈍らせることで手間を省くことになりますので、「美味しくない」「熟成しない」などの問題があり、おすすめできる方法ではありません。
以下、詳細を説明していきます。
寒いときは糠床も寒く、暑いときは糠床も暑い
糠床に生育する微生物の適温は、人間と同じです。
基本的には、寒いと感じられる温度は糠床にとっても寒く、暑いと感じられる温度は糠床にとっても暑いということになります。
理想を言えば、20-25℃が適温です。
しかし、20-25℃を保つのは現実的ではありません。
そこでおすすめなのが、「自宅の自分が心地よいと思える場所(もしくは最もマシな場所)に糠床を置く」ことです。
多くの人は、15-30℃の範囲内での生活をしているはずです。
また、糠床は狭い場所で管理することもできますので「夏の暑い時期にはシンクの下など」「冬の寒い時期には日当たりの良い部屋の直射日光の当たらない場所」などでOKです。
家にいることの多い人であれば、「エアコンの効いている部屋」もアリです。
乳酸菌と産膜酵母の生育温度
生育温度には、微生物による違いがあります。
たとえば、乳酸菌と産膜酵母では生育温度に違いがありますし、同じ乳酸菌(または酵母)であっても種類による違いがあります。
以下は、生育温度の目安です。
- 乳酸菌:20~45℃
- 酵母:10~35℃
もちろん、あくまでも目安でしかありません。
事実、糠床に生育している乳酸菌の主役ともいえる「ラクトバチルス・プランタラム」は、10℃であっても生育できることが確認されています。
しかし、10℃というのは「生育可能」という温度です。
基本的には、20~25℃がおすすめです。
10℃であっても、30℃であっても管理することはできますが、微生物の生育スピードが変わることから「天地返しの頻度」や「漬け時間」が変化することになります。
シビアに考える必要はありません。
「暑い季節には(できる限り)涼しい場所で管理する」「寒い季節には(できる限り)暖かい場所で管理する」ことを心がけるだけでもOKです。
糠床の管理にストレスは厳禁ですので、無理のない範囲で置き場所を移動させてください。
まとめ
糠床には、生育に適した温度があります。
しかし、いちいち温度を気にしていたのでは「疲れてしまいます(ストレスになってしまいます)」ので、「自分が生活しやすい温度」と覚えておくのが現実的な方法です。