泡立て卵白(メレンゲ)の仕組み。起泡性と空気変性について。

卵白は、激しく攪拌するとメレンゲ状になります。

泡立てた卵白は、多くの料理に利用されます。
たとえば、お菓子の生地づくりにはなくてはならないものですし、竜田揚げなどの揚げ衣に利用されることも少なくありませんよね?

では、なぜ卵白を攪拌すると泡立つのか?
卵白が泡立つ(メレンゲ状になる)ためのポイントとなる「起泡性」と「空気変性」について、説明していきたいと思います。

卵白の起泡性について

卵白には、起泡性があります。

起泡性とは、泡立つ性質のことです。
水には起泡性がありませんので「いくら攪拌しても泡立ちません」が、卵白には起泡性がありますので「攪拌すると泡立つ」ことになります。

これは、卵白には「表面張力を弱める働き」があるためです。
これは、卵白に含まれる複数のタンパク質(オボグロブリンなど)によるものであり、そのため、卵白を攪拌すると空気を抱え込んで泡立ちます。

メレンゲには、卵白の持つ起泡性が利用されています。

卵白の空気変性について

起泡性だけでは、メレンゲ状にはなりません。

石鹸水をイメージしてみてください。
石鹸水には起泡性がありますので「一時的には泡立ちます」が、その泡を安定化させる性質を持ちませんので「泡を維持できない」ことになります。

卵白が起泡性を維持できるのは、タンパク質の変性を利用しているためです。

タンパク質は変性します。
変性とは「タンパク質の立体構造が崩れること」であり、「温度変化」「pH変化」「濃度変化」「物理的操作」などにより変性することになります。

メレンゲに利用されているのは、物理的操作です。
卵白には、攪拌されてから空気に触れることで「膜状の構造に変化するタンパク質」が含まれていますので、泡立てられると「気泡を保持する働き」をします。

起泡性は、タンパク質の空気変性によって維持されているということです。

まとめ

卵白は、「起泡性」と「空気変性」によってメレンゲ状になります。
起泡性とは「表面張力を弱めて泡立ちやすくなる特徴」のことであり、空気変性とは「空気に触れることでタンパク質の構造が変化する特徴」のことです。

これら2点の特徴を持つからこそ、卵白は泡立ちます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です