糠床に入れる捨て野菜。初期の捨て漬け野菜が食べられない理由。

糠床を熟成させるためには、捨て野菜が必要です。
捨て野菜とは、糠床を熟成させるために「乳酸菌を(糠床に)移すための野菜」のことであり、本質的には「捨てる部位」ではありません。

捨て野菜は、捨てなければいけないものです。

米糠は、栄養豊富です。
栄養豊富な米糠に水分を加えますと、猛烈な勢いで微生物が繁殖していくことになり、その中には有益な乳酸菌もいれば有害な雑菌もいます。

捨て野菜は、有益な乳酸菌を移すきっかけにすぎません。

乳酸菌が増えるまでには時間がかかる?

作ったばかりの糠床には、多くの雑菌が繁殖します。

乳酸菌は栄養豊富な場所を好みます。
これは、乳酸菌が「豊富なビタミンやアミノ酸などの栄養素がなければ生育できない」という代謝系の欠陥を持つためであり、そのような場所には多くの雑菌も繁殖します。

そこで、乳酸菌は乳酸を生成することでライバル(雑菌)を減らします。

糠床は、塩分濃度と酸性pHによって腐敗を防いでいます。
しかし、初期の糠床には酸性pHの条件が満たされていませんので、乳酸菌も生息していますが、雑菌(腐敗菌)も生息してしまっていることになります。

不安定な状況であるということです。

安定するまでには1-2週間ほどかかります。
それまでの間は、「乳酸菌が優位に立つか?」「腐敗菌が優位に立つか?」をせめぎ合っている段階ですので、糠床と呼べる代物ではありません。

最悪、お腹を壊します。

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pHが下がらないうちの糠床は雑菌の温床?

糠床は、徐々に乳酸菌優位に移り変わっていきます。
作ったばかりの糠床には「耐塩性を持つ微生物(有害菌も含む)」が繁殖していますが、乳酸菌によってpHが低下するにつれて「有害菌が減少していく」ことになります。

そこまでには、1-2週間の時間を要します。

アルコールの香りが見極めるポイントとなります。
アルコールを生成する産膜酵母は乳酸を消費しますので、産膜酵母が生育しているということは「糠床が酸性化している」ことの判断基準になるためです。

糠床のpHが下がれば、腐敗菌が増えることはできません。

捨て野菜をケチってはいけません。
早い段階で乳酸菌優位の環境を作らなければ「熟成する前に腐敗してしまうリスク」が高まりますので、多くの捨て野菜を3日おきくらいで入れ替えていくことがポイントです。

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捨て野菜は捨てなければいけない野菜の意味

捨て野菜は、捨てなければいけない野菜です。

「捨て野菜=くず野菜」ではありません。
もちろん、捨て野菜はくず野菜(キャベツの外葉などの捨てる部分)で構わないのですが、「食べることはおすすめできない」という意味での捨て野菜となります。

前述したとおり、初期の糠床には雑菌が繁殖しています。

これらの雑菌は乳酸菌が増えることで死滅します。
しかし、(乳酸菌が生み出す乳酸によって)pHの低下が起こるまでは「耐塩性の雑菌も生育している」ことになりますので、人によってはお腹を壊します。

このことからも、初期の捨て野菜は「捨てなければいけない野菜=捨て野菜」と表現されるわけです。

「捨て野菜は食べられる」と書かれている書籍もあります。
この場合は「冷蔵庫管理」が前提となっていることが多く、低温によって雑菌(腐敗菌)が生育しにくい環境であるために「食べられる」と書かれています。

しかし、乳酸菌などの生育も制限されてしまいますので、美味しい糠床にはなりません。

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まとめ

糠床には、捨て野菜を漬けます。
捨て野菜を漬けることによって「野菜に付着している乳酸菌を糠床に移せる」こととなり、移された乳酸菌は糠床の中で生育していくことになります。

しかし、乳酸によってpHが低下するまでには時間がかかります。
適温(20-25℃)であっても1-2週間はかかりますので、それまでの間は「雑菌(腐敗菌)が生育している可能性がある」ということになります。

このことからも、捨て野菜は「捨てるべき野菜」と表現されるわけです。

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