料理の出発点は、洗うことです。
切り身にされている食材(肉や魚など)は洗う必要がありませんが、多くの野菜は洗わなければいけません。(関連記事:魚の切り身を洗ってはいけない理由)
食材を洗うポイントは、小分けにして複数回洗うことです。
多量の水で1回だけ洗うよりも、水を変えながら複数回洗った方が(同じ水の量であったとしても)食材をきれいに洗うことができます。
ちなみに、食材によっては流水で洗います。
一度ではなく複数回に分けて洗う意味
食材は、水を変えながら複数回洗います。
「6Lの水で1回だけ洗う場合」と「2Lの水で3回洗う場合」を比較すると、2Lの水で3回洗った方が圧倒的にきれいになります。
たとえば、食材の汚れを100だとします。
6Lの水で洗うと10%の汚れが残り、2Lの水で洗うと30%の汚れが残ると仮定した場合、6L1回では10%の汚れが残りますが、2L3回では2.7%まで軽減できることになります。
- 6Lで1回洗う:100×1/10=10
- 2Lで3回洗う:100×(3/10)×(3/10)×(3/10)=2.7
米を研ぐことを想像してみてください。
米研ぎでは、1度目こそ多量の水を必要としますが、2回目以降はさほど多くの水を使わなくても余分な糠分を洗い流すことができますよね?(関連記事:米の研ぎ方)
仕組み的には、同じことです。
多くの野菜が水をためて洗われる理由
多くの野菜は、ボウルに水をためて洗います。
ボウルに水をためて洗うことにより「食材の細部まで洗うことができる」「食材の組織が壊れてしまうことを避けることができる」などのメリットがあるためです。
これによって、野菜に付着している土や虫などを洗い流すことができます。
しかし、根菜類などには流水が用いられます。
多くの根菜類は組織がしっかりしていますので、流水の圧力に負けて組織が壊れてしまう心配はありませんし、流水を直接かけた方がきれいに洗えます。
また、青菜(ホウレン草や小松菜など)の多くは「貯めた水の中でふり洗いします」が、根元の部分には「土がついている」「組織がしっかりしている」などの理由から「流水に当てて洗う」こともあります。(※特に小松菜にはその傾向が強くなります)
ボウル内の洗い水はその都度入れ替える
ボウル内の洗い水は、その都度入れ替えます。
ボウル内に水道水を直接流し入れながら洗う方もおられるかと思いますが、その方法では「いつまでたっても汚れが残る」ことになります。
特に土のついた葉野菜などの場合、一見きれいになったように見えたとしても「土の粒子が付着してしまいやすくなる」というデメリットが生じることになります。
面倒でも、完全に水を入れ替えることがポイントです。
まとめ
多くの野菜は、水を入れ替えながら複数回洗います。
もちろん食材の特徴によっては「洗わなくても良い」ことや「流水で洗った方が良い」こともありますが、基本の洗い方として覚えておいて損はありません。