低温調理器の使い方。想像以上に簡単で自由度の高い調理器具。

低温調理器は便利な調理道具です。
肉や魚の場合にはタンパク質の熱変性をコントロールすることができますので、過加熱によって固くパサパサになってしまうことを防げます。

鶏胸肉であっても、しっとりとした仕上がりにできます。

使い方は簡単です。
真空パック(もしくはフリーザーパック)に入れた食材を低温調理器による恒温槽に入れておくだけですので、手間がかかるのは下ごしらえだけです。

以下、鶏肉の低温調理を前提として話を進めていきます。
難しいことを考えずに低温調理の醍醐味を味わいたいのであれば牛肉をおすすめしますが、多くの家庭では鶏肉の出番が多くなるはずです。

食材の下ごしらえ(下処理や味付け)

食材の下ごしらえをします。

基本的には通常の調理と同じです。
余分な脂身を落とし、繊維やスジを断ち切るために筋きりをし、各種調味料やハーブ類などと共に漬け込んでおきます。(関連記事:肉を筋きりする理由

多くの場合、漬け込みは真空パックにして行われます。
真空パックにすることで少ない調味料(調味液)でも漬けることができますし、何よりもそのまま加熱することができます。

もちろん、フリーザーバッグでもかまいません。

注意点としては、アルコールを煮きっておくことです。
料理酒や味醂に含まれるアルコールは「真空パックにすると揮発できずに残ってしまいます」ので、アルコールを含む場合には煮きっておきます。

シンプルな調理の場合には、ブライニング後に真空パック化することもあります。(関連記事:ブライニングとは?

低温調理器の温度と時間

注意を払わなければいけないのが、温度や時間の設定です。

低温調理には食中毒のリスクがあります。
しかし、安全マージンを大きく設定すればするほど「加熱しすぎることによって食感が固くなる」ことは避けられません。

  • 温度設定:タンパク質の熱変性に影響
  • 時間設定:低温殺菌できる時間の確保

この辺は過去記事を参考にしてみてください。(関連記事:肉の低温調理

食肉は、3種類のタンパク質によって構成されています。
それが、筋繊維と呼ばれる「筋原繊維タンパク質」、コラーゲン繊維に代表される「肉基質タンパク質」、色素タンパク質や酵素を含む「筋形質タンパク質」です。

食感に影響するのは、筋原繊維タンパク質と肉基質タンパク質です。
設定温度を低くするほど筋原繊維タンパク質が柔らかくなりますが、肉基質タンパク質を柔らかく(コラーゲン化)するためには長時間の加熱が必要です。

スジの多い肉に長時間加熱が必要なのは、肉基質タンパク質のコラーゲン化のためなのです。

まとめ

低温調理器の使い方は難しくありません。
しかし、あまりにも「攻めた設定温度と時間」では食中毒のリスクが高くなりますので、はじめは安全マージンを大きくとった設定にすることをおすすめします。

慣れてくるとイメージ通りの加熱が可能になります。

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