【おすすめ】美味しい糠漬け(糠床)のポイント

糠漬けがしょっぱい? 熟成不足の糠床が塩辛く美味しくない理由。

熟成不足の糠床は、糠漬けがしょっぱく感じられます。

本来、糠漬けの塩分量は2%前後です。
2%前後というのは「塩せんべい」と同じくらいの塩分濃度であり、糠漬け単体で食べたとしても極端に「しょっぱい」とは感じられないものです。

また、そのような糠漬けにはうま味がありません。

糠漬けが美味しくないのにはわけがあります。
その理由こそが熟成不足であり、初期の糠床で漬けた糠漬けには「丸みのない刺々しい塩味」を強く感じ、微生物の働きが鈍っている場合にも同様のことが起こります。

以下、詳細の説明をしていきます。

糠床の塩分量と乳酸菌による酸性度の影響とは?

糠床は、複数の微生物によって成り立っています。

その中でも、主役と呼べるのが乳酸菌です。
乳酸菌とは乳酸を生成する微生物の総称であり、乳酸菌が活発になるからこそ「さわやかな酸味が生まれる」「pHの低下により腐敗を防げる」ことになります。

ポイントとなるのが、乳酸です。

味は、組み合わせや比率によって感じ方が変わります。
たとえば、塩辛い焼き魚にレモンを絞ると「塩味が和らぎます」が、隠し味程度の酸味だと「塩味が引き立つ」ことになります。

一般的な糠床の塩分濃度は、6-8%です。
乳酸菌が活性化している糠床の酸性度はpH4.5程度となりますが、乳酸菌が不活性であるとpHが上昇してしまうために塩味が強く感じられるようになります。

しょっぱいと感じられるのには、酸度が影響している可能性があるのです。

多くの場合、原因は「熟成不足」です。
2-4ヶ月以上管理しているにもかかわらず「刺々しい塩味がある」のであれば、乳酸菌を優位にするように管理していきます。

具体的には「20-25℃で管理する」ことや、「水分量を増やす(糠床内部の空気を追い出す)」ことなどです。

乳酸菌や産膜酵母による香味

糠漬けの味は、複雑です。
糠床には複数の微生物(乳酸菌、酪酸菌、産膜酵母など)が生育し、それらの微生物が活性化していることによって複雑な香味が生み出されています。

糠床の状態が悪いと、複雑な香味が生み出されません。

たとえば、耐塩性の細菌群は有機酸類、アルデヒド類、硫黄化合物などを生成することでぬか漬け特有の香味を生み出していますし、耐塩性の酵母群はアルコールや芳香性のエステルを生成することでぬか漬けに香味を与えています。

それらの複雑さが欠けていると、塩辛さだけが際立つことになります。

糠漬けがしょっぱくなる場合の改善策は?

基本的に、塩辛い糠床は「糠床の状態が悪い」ために起こります。

改善することは難しくありません。
糠床を熟成させることがポイントとなりますので、当たり前の手入れを当たり前に続けていくことにより「微生物の活動量やバランスを整えていく」ことになります。

以下は、具体的な改善策です。

  • 水分量と塩分濃度を整える。
  • 可能であれば管理場所を20-25℃にする。
  • 微生物の活動量に応じた天地返し(夏季1日2回、冬季1日0.5-1回)を行う。

糠床管理の経験があれば、「当たり前」だと感じられるはずです。

なお、冷蔵庫やビニール袋での管理はおすすめしません。
冷蔵庫では微生物の働きが鈍るために塩辛く感じやすくなりますし、ビニール袋では産膜酵母が生育できないために美味しい糠漬けにはなりません。

また、市販されている糠床には注意が必要な場合があります。

たとえば、「冷蔵庫で管理できる(冷蔵庫で管理しなければいけない)糠床」や「かき混ぜる回数を減らせる糠床」などには、本来の糠床とは異なる微生物を生育させている場合がありますので、一般的な糠床とは異なる風味を持っていることも少なくありません。

これらの糠床の場合には、メーカーなどに問い合わせた方が良いかと思います。

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塩分量の軽減をおすすめしない理由

塩分濃度を減らすことはおすすめしません。

塩分濃度が低くなると腐りやすくなります。
糠床を腐敗から防いでいるのは「塩分濃度」と「酸性pH」ですので、塩分濃度を減らしてしまうと耐塩性の細菌群や酵母群以外の微生物が増えてしまう可能性があります。

最悪の場合、糠床が腐ってしまいます。

基本的に、「ぬか漬けがしょっぱい=糠床の熟成不足」です。
糠床の熟成が進むにつれて「刺々しい塩味は和らいでいきます」ので、塩分濃度を減らすのではなく糠床を熟成させることが優先されます。

また、近年のレシピは減塩傾向にあります。
ただでさえ少ない塩分濃度で管理されている糠床の場合には、しょっぱいからと言って塩分濃度を減らしてしまうと食中毒のリスクが増しますので注意してください。

当ブログのレシピでは、塩分濃度6-8%を想定しています。

糠床(糠漬け)の作り方。捨て野菜の目的や熟成に必要な期間とは?

まとめ

糠床の状態が悪いと、しょっぱいだけのぬか漬けになります。
理由は様々なのですが、多くは「糠床の手入れ不足(もしくは間違った管理方法)」によって起こる問題ですので、まずは管理方法の見直しをおすすめします。

糠床の熟成には、時間がかかります。
ゼロからはじめた場合には「最低でも1ヶ月(または夏季で2ヶ月、冬季で4ヶ月)」くらいが一つの目安となります。

暖かく過ごしやすい季節であれば、1ヶ月ほどで「刺々しい塩味は緩和されていく」はずです。

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