ぬか床の作り方。捨て野菜の目的と熟成にかかる期間について。

ぬか床の作り方に、絶対的な正解はありません。
「60%前後の水分量」「6から8%の塩分量」という基本となる条件はあるものの、各家庭によって異なるレシピが用いられています。

まずは、基本に沿って作ってみることをおすすめします。

なお、この記事では伝統的な製法を説明します。
ぬか床が熟成するまでには(暖かい季節であっても)2ヶ月間ほどの時間を要することになりますので、手間を惜しむ場合にはおすすめしません。

以下、詳細の説明です。

スポンサーリンク

ぬか床の基本となる材料とは?

基本となるぬか床の材料は、たったの3つです。
「新鮮な糠」「粗塩」「水」があればぬか床を作ることができ、あとは手入れをすることでぬか床に生育する微生物のバランスを保っていきます。

以下は、作りやすい分量の一例です。

  • 米糠:1kg
  • 粗塩:150g
  • 水:900ml
  • 唐辛子:2本

基本の3材料の他に、防虫目的の唐辛子を加えています。

「うま味は?」と思われるかもしれません。
レシピによっては「昆布や鰹節などを加える」と書かれているかと思いますが、ぬか床を作る段階では必要ありませんし、加えるとしてもタンパク質の豊富なものは避けてください。

はじめはシンプルに作ることをおすすめします。

作ったばかりのぬか床には、多くの雑菌が繁殖します。
それらの雑菌は乳酸菌が増えることで(pHが低下することで)死滅していきますが、タンパク質が多い場合には雑菌が増殖してしまうことがあります。

発酵せずに、腐敗してしまうリスクがあるのです。(関連記事:ぬか床が腐る仕組み

捨て漬け(捨て野菜)の目的とは?

ぬか床を作るには、捨て漬けをする必要があります。
捨て漬けとは、野菜クズなどを漬けることであり「野菜についている乳酸菌をぬか床で増殖させる」ために行われます。

とにかく適当な野菜を放り込んでいきます。

クズ野菜の種類は何でもかまいません。
野菜に付着している乳酸菌をぬか床に移すことが目的ですので、キャベツの外葉や軸、人参のヘタや皮など、とにかく多くの野菜を漬け込みます。

捨て野菜をケチってはいけません。
ぬか床は「塩分濃度」と「酸性」によって雑菌の増殖を抑えていますので、早くに乳酸菌を増殖させなければpHが下がらずに雑菌が増えてしまう可能性があります。

クズ野菜が準備できないのであれば、適当な野菜を購入してでも漬けてください。(関連記事:ぬか床の捨て野菜は食べられない?

日常的な手入れとその意味とは?

ぬか床には、手入れが必要です。
手入れといっても難しいことではなく、天地返し(上部と下部を入れ替えるように全体を混ぜること)を夏であれば1日2回、冬であれば1日1回行います。(関連記事:ぬか床の混ぜ方

これによって微生物のバランスが保たれやすくなります。

乳酸菌は、酸素が存在すると増殖できません。
しかし、天地返しをしないと酪酸菌という「無精香(履き古した靴下のような臭い)」を放つ菌が増殖してしまいますので、この手間を省くことはできません。

また、乳酸菌が増えてくると産膜酵母が生育をはじめます。
「ぬか床の表面に産膜酵母の白い膜が張る」ことが乳酸菌が増えている証拠ですが、産膜酵母が増えすぎるとシンナー臭の原因になりますので、やはり天地返しをします。(関連記事:ぬか床のアルコール臭とは?

ぬか床を熟成に、手間を惜しんではいけません。

ぬか床が熟成するまでにかかる期間は?

暖かい季節であれば、2週間ほどで漬けられるようになります。

しかし、本格的な熟成には3ヶ月間ほどかかります。
これは、乳酸菌と産膜酵母がバランスよく育成するためには「夏場で約2ヶ月」「冬場で約4ヶ月」ほどの時間を要するためです。

「床分け」をすると熟成期間を短縮できます。
床分けとは「熟成しているぬか床を混ぜる」ことであり、知り合いに良いぬか床をお持ちの方がいるのであれば分けてもらうのも一つの手段です。

美味しいぬか床には時間がかかります。
乳酸菌や産膜酵母の育成が不十分であると「しょっぱいだけで美味しくないぬか漬け」になりますので、時間がかかることは覚悟してください。(関連記事:ぬか漬けがしょっぱくなる理由

ぬか漬け特有の好ましい香味は、乳酸菌と産膜酵母によって生じます。

  • 乳酸菌の香味:有機酸類、アルデヒド類、硫黄化合物など
  • 産膜酵母の香味:アルコール、芳香性のエステルなど

また、ぬか床は熟成することでアミノ酸が増えていきます。
アミノ酸が増えることで「うま味が強くなります」し、「刺々しい塩味が緩和される」ことにもつながります。

手間を惜しまずに、しっかり熟成させることがポイントです。

まとめ

ぬか床の作り方は、とてもシンプルです。
しかし、ぬか床の熟成には「1日1回(または1日2回)の天地返し」が欠かせませんので、「手入れを続けられるのか?」が高いハードルとなります。

スポンサーリンク




ブログランキング

ブログランキングに参加しています。
ランキングサイト「にほんブログ村」は、クリックされたポイント(INポイント )に応じて順位が表示されるサービスです。

よろしければ(1日1クリックの)応援をお願いします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

タベル

厨房料理人(プロ)ではありません。普通の台所に立つ台所料理人(自炊をしている人)です。調理や調理道具が好きで、多くの書籍を読みつつも試作や実験を繰り返しています。このブログは、料理に関する「コツ」のようなものを体系的にまとめるために運営しています。