餃子の皮は、小麦粉に水分を加えて作られます。
その際、餃子の種類(加熱方法)によって水や熱湯を使い分けることになります。(※レシピによってはぬるま湯を指定している場合もあります)
なぜ水分の温度を使い分けるのか?
これは温度によって生地(皮)の特徴が変化するためであり、基本的には「焼き餃子=熱湯」「水餃子=水」というふうに使い分けられることになります。
以下、詳細を説明します。
焼き餃子の皮に熱湯を加える理由
焼き餃子の皮は、熱湯でつくります。
焼き餃子の皮は「モチモチ」しているのが特徴です。
これは熱湯を加えて練ることによって「小麦粉に含まれている澱粉が糊化(α化)する」ためであり、糊化することによって澱粉の粘度が高く「モチモチとした食感」を生みます。
また、温度が高いとグルテンの働きが妨げられます。
グルテンが形成されると粘弾性(コシの強さ)を持つことになりますので、過剰な粘弾性を避けるためにも焼き餃子の皮には熱湯が用いられることになります。
それによって、フライパンに接する底面はカリっと香ばしく焼かれ、上側はふんわりとした食感になります。
水餃子の皮に水を加える理由
水餃子の皮は、水でつくります。
水餃子の皮は、コシを強くします。
グルテンを形成させて強い粘りと弾力性を持つ生地(コシの強い生地)にしておかないと、茹でている間に皮が破れてしまうことにもなりかねないためです。
そのため、熱湯ではなく水(またはぬるま湯)が用いられます。
これは、水の温度に限ったことではありません。
水餃子の皮はグルテンを形成させて粘弾性を持たせなければいけませんので、焼き餃子の皮よりも強力粉の比率が高めになっています。
また、コシを強くするために食塩の量も(多少)多くなります。
これらの違いによって、水餃子特有のコシのある(歯ごたえのある)生地になるわけです。
まとめ
餃子の皮には、焼き餃子と水餃子とでの違いがあります。
焼き餃子の皮は「澱粉を糊化させて粘りを持たせてある」という特徴があり、水餃子の皮には「グルテンを形成させて粘弾性を持たせてある」という特徴があります。
調理法によって、「水で練るのか?」「熱湯で練るのか?」が使い分けられます。