銅の卵焼き器。使い始めにくっつく理由と対処方法について。

銅の卵焼き器は、熱伝導率の良さが魅力です。
熱伝導率が高いということは、「熱ムラができにくい」「熱反応が良い」ということになりますので、理想的な卵焼きを焼くための条件を兼ね備えているということになります。

しかし、難しさがあることも事実です。

卵焼き器が馴染むまでは、くっつきます。
また、銅の卵焼き器の内面にはスズ(錫)引き加工が施されていますので、鉄のフライパンのように高温で熱することはできません。

以下、詳細の説明をします。

卵焼き器内面に施されているスズ引き加工の特徴

銅の卵焼きの内面には、スズ引き加工が施されています。
これは、「銅と組み合わせることで機械的強度を高めることができる」「無毒性の被膜をつくることができる」などのためです。

また、銅製品では、稀に(銅イオンが食品へ移行することによる)吐き気や嘔吐、下痢などの食中毒が起こることがありますので、スズ引き加工することによって食中毒のリスクを軽減させています。

参考 Q22「銅製又は銅合金製の食品用器具及び容器」厚生労働省

しかし、メリットばかりでもありません。
スズには、「融点が低い(約230℃)」「軟化して摩耗しやすい」という特徴があるため、取り扱いには(少しばかりの)注意事項があります。

鉄のフライパンのようには使えません。
鉄のフライパンはキンキンに熱しても問題ありませんが、銅の卵焼きをそこまで熱してしまうと内面のスズ引き加工が溶けだしてしまいます。

230℃というのは調理中でも上がってしまうことのある温度ですので注意が必要です。

銅の卵焼き器がくっつきやすい理由

銅の卵焼きは、馴染むまでに時間がかかります。
油馴染みの悪い卵焼き器であっても「普通の卵焼きを焼くことは難しくありません」が、だし巻き卵を巻こうとすると「格段に難易度が高くなる」ことになります。

原因は、油が馴染むまでには時間がかかるためです。

仕組みは、鉄のフライパンと同じです。
鉄のフライパンに「油を酸化させた樹脂層(ポリマー層)を形成する」のと同様に、銅の卵焼き器にも樹脂層を形成させる必要があります。

一般家庭での使用頻度は、さほど高いものではありません。
どんなに「卵焼きを良く焼く家庭」であったとしても、せいぜい1日1回卵焼きを焼くのが関の山であり、調理人のように複数回焼くことはないはずです。

このため、油が馴染む前に諦めてしまう方も少なくありません。

効率的に卵焼き器の油なじみを良くするには?

では、どうすれば早く油を馴染ませることができるのか?

結論から言えば「くず野菜を炒める」ことです。
くず野菜を炒めることで油が早く劣化しますので、普通に卵焼きを焼いているよりも効率的に表面の樹脂層を形成することにつながります。

ただし、炒める温度には注意してください。
前述したとおり「スズの融点は約230℃」となりますので、鉄のフライパンのような使い方をしていると容易に融点以上の温度になってしまいます。

くず野菜を炒める際には、火力を弱めてじっくり行うことがポイントとなります。

鉄フライパンでくず野菜を炒める理由。ポイントは油の重合?

まとめ

銅の卵焼き器は、理想的であると言えます。
しかし、一般家庭の使用頻度で油が馴染む(内面に樹脂層が形成される)までには多くの時間を要することになりますので、くず野菜を炒めることをおすすめします。

くず野菜を炒める際の温度管理には、十分に注意してください。

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