ジャガイモが黒く変色する理由。水に浸けると変色を防げる仕組み。

ジャガイモは、切り口から黒く変色します。

しかし、同じ根菜類であるニンジンは、変色しません。
これには黒く変色する理由が、「ポリフェノール系物質」「酸素」「酸化酵素」という3項目の働きによって起こることが関係しています。

切り口が変色しない野菜は、上記3要素のいずれかが欠けています。

裏を返せば、3要素のいずれかを止めることで「ジャガイモの変色を防ぐことができる」ということになり、最も簡易的な「水に浸けておく(酸素を遮断する)」という手法が用いられます。

以下、詳細を説明します。

変色(黒くなる)原因はメラニン?

ジャガイモが黒く変色するのは、メラニンが生成されるためです。

野菜が変色するためには、3要素が欠かせません。
ジャガイモに置き換えると「ポリフェノール系物質:チロシン」「酸素:切り口が空気に触れる」「酸化酵素:チロシナーゼ」となります。

  1. チロシンが空気に触れる
  2. チロシナーゼが酸化反応を進める
  3. メラニンが産生される

以上のような仕組みによって、ジャガイモは黒く変色します。

変色させないためには水に浸けておく

ジャガイモを変色させないためには、水に浸けることです。
水に浸けることで酸化が起こりません(チロシンが空気に触れません)ので、黒い変色の原因であるメラニンが産生されなくなります。

必ずしも水に浸ける必要はありませんが、調理が長引きそうなときなどには水に浸けておいた方が無難です。

ちなみに、ビタミンCでも変色を防止できます。
ビタミンC(アスコルビン酸)には「(酸化とは逆の)還元作用」がありますので、ビタミンC水溶液に浸したジャガイモは、水から引き上げても変色しにくくなります。

リンゴやモモなど、フルーツジュースにビタミンC(アスコルビン酸)が添加されているのは、酸化を止めてフルーツジュースの変色を防ぐためです。(関連記事:リンゴの変色を防ぐ方法

まとめ

ジャガイモが黒く変色するのは、メラニンが原因です。
メラニンを産生させないためには「空気を遮断する」「熱を入れて酵素の働きを止める」「還元作用をもつ物質を加える」の3手段が用いられます。

一般的には、水に浸けておけば十分なのです。

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