ベーキングパウダーの「苦い」「膨らまない」は助剤の種類による?

ベーキングパウダーは、炭酸ガスを発生する食品添加物です。

重曹と似ています。
重曹は炭酸水素ナトリウム単体の食品添加物ですが、ベーキングパウダーは炭酸水素ナトリウムに助剤(酸性剤)が加えられている食品添加物です。(関連記事:重曹とベーキングパウダーの違い

これによって、苦みを生じさせることなく炭酸ガスを発生させることができます。

しかし、「苦い」「膨らまない」などの問題が生じることもあります。
この多くは「ベーキングパウダーの選び方を間違えている」ことが原因となっており、具体的に言えば助剤(酸性剤)の選び方を間違えているということになります。

以下、詳細の説明をします。

ベーキングパウダーの成分

ベーキングパウダーは、「炭酸水素ナトリウム+助剤(酸性剤)」です。
重曹との大きな違いは「助剤(酸性剤)」の存在であり、保存中に炭酸水素ナトリウムと助剤を反応させないために「遮断剤」も加えられています。

  • ガス発生剤:炭酸水素ナトリウム(重曹)
  • 助剤(酸性剤):第一リン酸カルシウムやピロリン酸カルシウムなど
  • 遮断剤:コーンスターチや小麦粉など

成分表を確認してみてください。
ガス発生剤と遮断剤は概ね一定ですが、助剤(酸性剤)の種類や比率は「製品によって大きな違いがある」ことが確認できるはずです。

この違いが、ベーキングパウダーの性質に影響します。

助剤(酸性剤)の違いによる特徴

ベーキングパウダーに含まれる助剤には、複数種があります。
助剤(酸性剤)の種類や比率によって「ベーキングパウダーは異なる性質を持つ」ことになりますので、一般的には3種類に分類されています。

それが、以下の3種類です。

  • 即効型:第一リン酸カルシウムなど
  • 持続型:即効型と遅効型のバランス
  • 遅効型:ピロリン酸カルシウムなど

ベーキングパウダーには、正しい選択が必要です。
たとえば加熱温度が低めのものには即効型を選ぶ必要がありますし、高温で焼き上げるようなものには遅効型を選ぶ必要があります。

ベーキングパウダーで生じる問題の多くは、「選び方の間違い」によって起こるのです。

「苦い」「膨らまない」の原因

ベーキングパウダーは、扱いやすい食品添加物です。
しかし、使い方や選び方によっては「苦みが残る」「膨らまない」という問題が生じることも事実であり、多少の注意は必要です。

まずは、「苦みが残る」という問題からです。

苦味の原因は、炭酸ナトリウムです。
炭酸ナトリウムは炭酸水素ナトリウム(重曹)を加熱した時に生じるものであり、独特の「臭い」と「苦み」を持つことが特徴です。

ベーキングパウダーには助剤(酸性剤)が加えられていますので通常は炭酸ナトリウムではなく中性塩になるのですが、蒸し料理に遅効型BPを使用したりすると助剤が上手く働かないために炭酸ナトリウムが残ってしまうことがあります。

次に、「膨らまない」という問題です。

膨らまない原因も、助剤の種類が関係しています。
重曹やベーキングパウダーは、ガス発生剤(炭酸水素ナトリウム)を「加熱」「酸性食品(または酸性剤)と反応させる」ことによってガスを発生させています。

膨らまないのは、酸性剤が機能していないためです。
酸性剤には種類(即効型、持続型、遅効型)があり、遅効型(高い温度で反応するもの)を低い温度で調理するものに使用してしまうと膨らみにくくなります。

まとめ

ベーキングパウダーには、タイプがあります。
一般的には「即効型BP」「持続型BP」「遅効型BP」と区別されており、これらは助剤(酸性剤)の違いによるものです。

具体例を示すとすれば、蒸し料理などには「第一リン酸カルシウムなど」の反応性の高い酸性剤が適しており、焼き菓子などには「ピロリン酸カルシウムなど」の加熱により反応性が高まるタイプの酸性剤が適しています。

ベーキングパウダーを選ぶ際には、注意してください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です