肉の購入時には、色をみます。
色(鮮やかな赤色で濃淡差がないこと)を見分けることで、おおよその鮮度を判断することができるためです。
仕組みを知っておくことがポイントです。
肉の色を決めるのは、ミオグロビンという色素です。
ミオグロビンの大部分はタンパク質でできており、そこに非タンパク質性のヘムという色素が結合した形になっています。
多くは、以下の3パターンです。
- 酸素型:鮮やかな赤色
- 還元型:暗い赤色
- 酸化型:褐色がかった赤色
詳細の説明をしていきます。
鮮やかな赤色をした酸素型
好まれるのは、鮮やかな赤色です。
牛は、1~2週間ほどの熟成期間が設けられます。
食肉処理された直後の肉は「鮮やかな赤色」をしていますが、熟成期間中に「暗い赤色」へと変化していきます。
ミオグロビンが、酸素型から還元型へと変化するためです。
店頭に並んでいる牛肉は、鮮やかな赤色です。
鮮やかな赤色は、酸素型の特徴です。
かたまり肉を切り分けると、切り口の部分のミオグロビンが空気中の酸素と反応して(わずか数分で)鮮やかな赤色になります。
一般的には、「鮮やかな赤色で濃淡差がないこと」が判断基準になります。
暗い赤色をした還元型
かたまり肉の内部は、暗い赤色をしています。
空気中の酸素とふれていない肉の内部は、ミオグロビンが還元型(暗い赤色)のまま存在しているためです。
暗い赤色は、鮮度が落ちているわけではありません。
一般的に、薄切り肉はずらして並べられて売られています。
この場合、見える部分は「酸素と反応して鮮やかな赤色」となり、重なり合った部分は「酸素が遮断されて暗い赤色」をしていることがあります。
重なっていた部分の暗い赤色は、肉本来の色なのです。
褐色がかった赤色をしている酸化型
問題となるのは、酸化型です。
牛肉は、酸素にふれることで鮮やかな赤色になります。
しかし、過剰に酸素とふれあった状態が続くと、酸化によって「褐色(茶色)がかった色」に変化していきます。
変質や腐敗に近づいているということです。
褐色がかった肉を選んではいけません。
褐色(茶色)がかった肉は「切り分けられてから時間がたっている肉」ということになりますので、鮮度の落ちている肉ということになります。
また、かたまり肉よりも薄切り肉、薄切り肉よりも挽き肉の方が表面積が大きくなりますので、それだけ酸素にふれやすく「傷みやすい肉」ということがいえます。
まとめ
肉の変色原因は、酸素です。
肉のミオグロビンは本来、酸素型です。
それが食肉処理によって還元型(暗い赤色)、切り分けられることで酸素型(鮮やかな赤色)、加工後の時間経過によって酸化型(褐色化)へと変化していきます。
一般的には、「鮮やかな赤色で濃淡差がないこと」が判断基準となります。