剥いたリンゴを塩水に漬けると、変色しにくくなります。
変色には、3つの項目が関わっています。
それが変色の基となる「ポリフェノール系物質」、ポリフェノールを酸化させる「酸素」、そして酸化反応を促進させる「酸化酵素」です。
- ポリフェノール系物質
- 空気中の酸素
- 酸化酵素(ポリフェノールオキシダーゼ)
3つの項目がそろうことで褐変が起こります。
ポリフェノール系物質
変色の基は、ポリフェノール系物質です。
酸化すると、メラニンに変化します。
皮を剥いたりミキサーにかけたりすると「たちまち変色してしまう」のは、ポリフェノール物質が空気に触れて酸化してしまっているためです。
当然、空気を遮断すると変色しません。
空気中の酸素
酸素は、ポリフェノール系物質を酸化させます。
水に放ったリンゴは、変色しません。
これは空気中の酸素が一時的に遮断されているためであり、酸素がない条件下ではポリフェノール系物質の酸化は起こりません。
しかし、ミキサーにかければ速やかに酸化します。
ミキサーにかけると「断面積が増える」「細かな気泡が含まれる」ことになりますので、普通に切っただけの場合よりも変色しやすくなります。
すりおろしたリンゴにレモン汁やクエン酸を加えるのは、酸化を防止して変色を防ぐためでもあります。
酸化酵素(ポリフェノールオキシダーゼ)
変色は、酸化酵素の働きによって起こります。
ここで効果的なのが、「食塩水に浸す」ことです。
食塩には酸化酵素(ポリフェノールオキシダーゼ)を抑制する働きがありますので、食塩水から取り出しても変色が起こりにくくなります。
もちろん、これは生食を前提としています。
皮を剥いてしまったリンゴが大量にあるのであれば、ジャムやコンポートにすることを考慮してもよいかもしれません。
まとめ
リンゴの変色は、酸化によって起こります。
変色の基となるのがポリフェノール系物質であり、空気中の酸素と酸化酵素(ポリフェノールオキシダーゼ)の働きにより褐色に変色します。
変色させないためには、「空気に触れさせない」か「酸化酵素を抑制する(もしくは失活させる)」かのいずれしかありません。