手作りマヨネーズには、マスタードを加えることがあります。
主な理由は2点です。
1点目が「マスタード特有の風味を加える」こと、2点目が「マスタードに乳化(エマルジョン)を安定化させる作用がある」ことです。
- マスタードの風味
- 乳化ソースを安定させる
マスタードの有無には好みが分かれます。
しかし、マヨネーズにマスタードを加えるのには「風味を加えること以外にも理由がある」ということを知っておくことがポイントです。
以下、詳しく説明していきます。
マヨネーズの乳化(エマルジョン)の仕組み
マヨネーズは、油とお酢を乳化させて作ります。
その際に乳化剤として働くのが卵黄に含まれるレシチンであり、乳化剤(レシチン)の持つ「水とも油とも結びつく性質」が利用されています。
マヨネーズの作り方には複数の方法があります。
たとえば、卵黄と酢を合わせてから油を入れていくと「早く作れるが安定性に劣るマヨネーズになる」ことが多く、卵黄と油を合わせてからお酢を加えると「時間はかかるが安定したマヨネーズになる」ことが多くなります。
また、材料の温度や道具の材質によっても違いが生じます。
マスタードがマヨネーズを安定させる仕組み
マスタードには、安定剤としての効果があります。
マヨネーズは不安定なものです。
他の乳化液と比べて「油滴の密度が高い」という特徴があるため、低温や高温、攪拌などによって乳化状態は簡単に壊れてしまうことがあります。
そこで役立つのがマスタード(安定剤)です。
マスタードに含まれる「タンパク質や炭水化物の小さな粒子」や「濡れることで放出される粘液様成分」には安定剤としての作用があります。
主な仕組みは2点です。
- 細かな粒子が油滴間に割り込む
- 粘液様成分が油滴の表面を包み込む
乳化が壊れるとは、拡散していた油滴が合一することです。
油滴の合一を防ぐためには、「小さな粒子が油滴と油滴の間に割り込む」「粘液様成分が油滴の表面を包み込む」という作用が効果を発揮します。
まとめ
手作りマヨネーズのレシピには、マスタードが記載されていることがあります。
主な理由は2点です。
マスタードを加えることによって「風味が加わる」「乳化(エマルジョン)が安定する」という2つのメリットが得られることになります。
しかし、必ずしも必要なものではありません。
マスタードの風味が邪魔になることがありますし、手間をかければ安定した手作りマヨネーズを作ることも可能です。