卵白には、濁りがある場合があります。
悪くなっているわけではありません。
むしろ「卵白が濁っている=産卵からの時間経過が短い」と判断することができますので、「鮮度が良過ぎるために濁って見える」ということになります。
卵白の濁りを怖がる必要はありません。
以下、詳細を説明していきます。
新鮮な卵の卵白が白く濁る仕組み
卵白の濁りの原因は、炭酸ガスです。
産卵直後の卵には、殻の内部に炭酸ガス(二酸化炭素)が多く、炭酸ガスが卵白に溶け込んでいるために「白く濁って見える」ことがあります。
濁っている卵白は、鮮度が良過ぎるために見られる現象なのです。
濃厚卵白を確認してみてください。
鮮度の良い卵の卵白は、約60~70%が濃厚卵白で占められていますので「ドロッとしていてコシのある卵白の比率が高い」はずです。
濃厚卵白は、時間の経過とともに水様卵白に変化していきます。
新鮮な卵でつくったゆで卵が剥きにくい理由
ゆで卵の殻の剥きやすさには、鮮度が影響しています。
新鮮な卵には、炭酸ガスが含まれています。
卵白が濁るほどに炭酸ガスが豊富な卵(新鮮な卵)でゆで卵を作りますと、pHが比較的低いために「卵白と卵殻膜が強く結合してしまう」ことになります。
ゆで卵の殻が剥きにくいのは、このような仕組みが影響しています。
反対に、数日間保管した卵は剥きやすくなります。
これは、産卵直後の卵のpHが7.5程度だったのと比べ、数日間保管しておくことでpHが9.5程度に変化するためです。
しかし、デメリットもあります。
卵は鮮度が落ちることで塩基性(アルカリ性)に傾きますが、塩基性に傾くことで「硫黄臭が強まる」ことになることは避けられません。
これは、重曹を加えて作った場合でも当てはまります。
まとめ
卵白の濁りは、鮮度が良い証拠です。
産卵直後の卵には炭酸ガス(二酸化炭素)が豊富に含まれていますので、炭酸ガスが溶解することで卵白が濁って見えることがあります。
この場合の卵白の濁りは、時間の経過とともに消えていきます。