マドレーヌは、中央に割れ目ができることがあります。
不思議なことではありません。
マドレーヌは(パウンドケーキと同様)バター生地の一種ですので、水分が少なく、適切な膨らみ方をした場合には割れ目ができます。
レシピによっても違いが生じます。
卵などによって水分の多い「柔らかい触感のレシピ」の場合は割れにくくなりますし、小麦粉の種類によっても違いが生じます。
以下、詳細の説明です。
マドレーヌが割れる仕組み
マドレーヌが割れる原因は、水蒸気です。
水は加熱によって水蒸気になりますが、生地の外側は加熱によって焼き固まっていますので「生地表面を押し上げる(または突き破る)」ことになります。
また、ベーキングパウダーも原因の一つです。
多くのレシピではベーキングパウダーが用いられます。
ベーキングパウダーはガスを発生させて生地を膨らませますので、水蒸気による作用も相まって「さらに大きく中央部が割れてしまう」ことになります。
ちなみに、割れの有無と味の優劣は無関係です。
割れやすいレシピと割れにくいレシピ
レシピによっても違いが生じます。
昔ながらの「基本のレシピ」では割れやすくなりますが、卵などの水分の多い「柔らかい食感のレシピ」では割れにくくなります。
これは、膨らみ易さが関係しています。
マドレーヌの外側は固くなります。
しかし、柔らかい食感のレシピで作りますと「全体が均等に膨らみやすい」という特徴を持つために、割れにくくなります。
昔ながらのレシピで割れが生じやすいのはこのためです。
混ぜ方や小麦粉の種類による違い
グルテンが関係している場合もあります。
グルテンは生地の骨格をなします。
しかし、グルテンが過多になると「(加熱によって)膨らみにくくなる」ことになりますので、当然、割れにくくなります。
グルテンが多くなるポイントは2点です。
- 混ぜすぎることによるグルテン過多
- 小麦粉の成分によるグルテン過多
グルテンは、混ぜることで生成されます。
しかし、小麦粉が問題になることもあります。
一言に薄力粉といってもタンパク質含有量には「約6.5~8.5%」という開きがありますので、グルテンのでやすい薄力粉とでにくい薄力粉があるということになります。
グルテンが多いと膨らみにくくなります。
膨らみにくくなると言うことは「割れにくくなる」ということですが、それに伴い「軽さが失われる」というデメリットが生じることにもなります。
「割れていた方がよい」「割れていない方がよい」という単純な問題ではありません。
まとめ
マドレーヌが割れるのは不思議なことではありません。
主な原因は水蒸気と(ベーキングパウダーによる)炭酸ガスであり、これらが生地を膨張させることで表面が割れることになります。
また、レシピの違いや小麦粉(薄力粉)の種類によっても割れ易さには違いが生まれますので、一概に「○○が原因」とは言い切れない部分があります。