雪平鍋には、アルミとステンレスがあります。
厳密に言えば他の材料(銅など)もありますが、一般的に流通しているのはアルミかステンレスかのいずれかになります。
- アルミ
- ステンレス
ここで問題となるのが、「どちらを選ぶべきか?」です。
アルミとステンレスは異なる性質を持ちます。
「どちらが優れているのか?」という問題ではなく、「どのような使い方をしたいのか?」が大きなポイントになることになります。
以下、詳細を説明していきます。
アルミとステンレスの主な特徴
アルミとステンレスには、異なる性質があります。
まずは基本的な性質として、「熱伝導率」と「比熱」に関する要点をまとめていくことにします。
熱伝導率は、熱の伝わり易さです。
熱伝導率の値が高いほどに、「早く温まる」「ムラなく温まる」「(加熱を止めると)すぐに冷める」という特徴を持つことになります。
- 熱伝導率【W/(m・K)】
- アルミ:204.00
- ステンレス:16.00
熱伝導率に優れているのはアルミです。
次に説明するのは比熱です。
比熱は「物質を温めるのに必要な熱量」ですので、比熱の値が低いほどに「少ないエネルギーで温められる」ということになります。
熱効率がよいと言うことです。
- 比熱【kJ/(kg・K)】
- アルミ:0.900
- ステンレス:0.502
比熱に優れているのはステンレスです。
それぞれに適した調理方法とは?
素材には、得意なことと不得意なことがあります。
アルミは「熱伝導率が高く、熱効率が低い」という特徴を持ち、ステンレスは「熱伝導率が低く、熱効率が高い」という特徴を持ちます。
- アルミ:熱伝導率が高い、熱効率が悪い
- ステンレス:熱伝導率が低い、熱効率がよい
この特徴の違いによって、アルミは短時間での調理(簡単な炒め物や煮物、汁物など)に向き、ステンレスは長時間の調理(煮込み料理など)に向くと言うことになります。
また、硬度の問題もあります。
アルミは柔らかく、ステンレスは硬い素材です。
普通の調理であればアルミであっても問題にはなりませんが、泡だて器などの調理道具を使用するのであればステンレス製をおすすめしたいと思います。
傷の恐れがある場合にはステンレスを選びます。
変色(または腐食)のリスク
耐食性の問題も無視はできません。
基本的に、どちらも耐食性に優れた材質です。
しかし、アルミは「酸性や塩基性(アルカリ性)に弱い」という性質を持つため、料理の保存には向きません。
- アルミ:調理後はすぐに移し替える必要がある
- ステンレス:料理を移し替えなくても問題がない
意外と大きな問題ですよね?
また、アルミは腐食によって変色します。
アルミの腐食(白いブツブツや黒色化など)は人体に無害ではありますが、この点が気になるのであればステンレスの方が無難なのかもしれません。
まとめ
一般的な雪平鍋には、アルミとステンレスがあります。
「どちらが優れている」という単純な問題ではなく、調理方法や使用方法に左右される複雑な問題となります。
納得した上での購入をおすすめします。